B.C.4〜【3人の聖人たち】
最初に三人の魔術師がいました。時代は紀元頃(あたりまえか?)から14世紀にかけてです。イエス=キリスト、聖母マリア、サンタクロースです。かれらは、順に「復活」、「処女懐胎」、「無数の子供へのプレゼント」という奇跡を行いました。奇跡も一種の魔術です。神であれば奇跡と呼ばれますが、聖母マリアやサンタクロースは人間です。この三人は、それぞれ、出身はユダヤ、エジプトないし小アジア地方、サンタクロースも小アジア・ミュラのニコラウスですが、クリスマスを祝うゲルマン人とくに北方チュートン族の祭事に登場するようになりました。それであんなに暑苦しい格好なんです。現代の子供たちですら信じるサンタクロースは、宅配業者の専門家ですら思いもよらない配送業務を行っているようです。
〜13C.【3人のスコラ学者たち】
魔術的なものを否定し、哲学をもって神学のはしため(下女)としたのが中世スコラ哲学です。創始者アンセルムス(1033-1109)は、信仰を超自然的なものとのみみなさず、認識や推論の可能な学問として神学を樹立することに力を尽くしました。ついで、 アルベルトゥス・マグヌス(1200?-80?)は、アリストテレス哲学の全体像を紹介しながら自分でも自然を研究し、その合理的解明をめざしました。数学のような怪しい学問を使わずに、自然を明らかにすべきだと考えたのです(「?」と思われるでしょうけれども、その意味は後で)。その博識ぶりに「全科博士doctor universalis」と呼ばれたほどですが、ロボットの従者を連れていたといわれ るなど、当時のひとからは魔術師と混同されていたふしがあります。その弟子が有名なトマス・アクィナス(1225?-74)で、スコラ哲学の完成者です。
15C.〜【3人の魔術師たち】
しかし、時代がくだると、スコラ哲学に対抗するかのように、そこに三人の魔術師が現れました。自然魔術を説いたアグリッパ(1486-1535)、「偉大なる魔術師」パラケルスス(1493-1451)、 そして大予言で知られるノストラダムス(1503-66)の3人です。
・・・というようにして、講義では、近代の【3人の新哲学者たち(ベーコン、ガリレイ、デカルト)】が、どのようにして自然科学を確立する思考法を切り拓いていったか、お話しようと思います。もっとも、かれらは、自然については、現代の自然科学的知識からするとでたらめなことばかり主張していたそうですが・・・。
講義あとがき(6/11):
本日はたくさんのひとが聞きにきてくれてありがとうございました。講義内容はいかがだったでしょうか。
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