表1は,2基準,4代替案の個別評価値です.
AHP(Analytic Hierarchy Process)など 加重和で総合評価する場合の各評価基準の各代替案の値です.
この値は,あらかじめ与えられているものとします.
AHPなどでは,別に,重要度を求め総合評価をしますが,ここでは,必要ありません.
ただし,AHPの個別評価値のように,各評価基準の値は,ある重みの組を与えて総合評価できるような値であることが必要です.
表2:各代替案の特徴値 E
W
代替案\集合 | 出現回数 | 出現頻度(%) |
{1} | {2} | {1,2} |
1 | 25280.00 | 25.2800 | 1.207259 | -0.698739 | -0.500282 |
2 | 42063.00 | 42.0630 | -0.697825 | 0.933980 | -0.235039 |
3 | 29033.00 | 29.0330 | -0.374173 | -0.657517 | 1.019434 |
4 | 3624.00 | 3.6240 | 2.675584 | -0.698739 | -1.949154 |
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{1},{2},{1,2}の意味は次のようになります.
- {1}は,評価基準1 の重要度のみが高いときに1位になることが多いとき,大きな値になります.
- {2}は,評価基準1 の重要度のみが高いときに1位になることが多いとき,大きな値になります.
- {1,2}は,評価基準1,2 の重要度がともに高いときに1位になることが多いとき,大きな値になります.
図1による各代替案の解釈は,次のようになります.
代替案1は,{1}が大きく,{2},{1,2}が低いので,評価基準1のみが高いときに1位になることが多いことを示している.
代替案2は,{2}が大きく,{1},{1,2}が低いので,評価基準2のみが高いときに1位になることが多いことを示している.
代替案3は,{1,2}が大きく,{1},{2}が低いので,評価基準1,2がともに高いときに1位になることが多いことを示している.
代替案4は,{1}が大きく,{2},{1,2}が低いので,評価基準1のみが高いときに1位になることが多いことを示している.
代替案1との違いは,{1}と{2},{1,2}の差が激しいので,この傾向が強いことがわかる.
また,表2の出現頻度で,代替案1は25%,代替案4は4%なので,代替案4は,選択されることが少ないことを示している.
注意:
- この結果を得るために,重要度を一様乱数で与えている.表2の出現頻度は,この一様乱数で与えたとき1位になる頻度である.人間の重要度の分布は,(おそらく)一様乱数とは一致しないので,この値は参考程度である.
- 図1のグラフは,各代替案内で,{1},{2},{1,2}の値を比較するためのものである.したがって,異なる代替案間では比較できない(例:{1} の値は,代替案4が1より大きいが,{1}のみ高いとき,4が1より選ばれやすいことを必ずしも示すものではない).
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問い合わせ先:
高萩栄一郎 (専修大学商学部)
takahagi@isc.senshu-u.ac.jp