代替案の特徴分析 例題による説明


表1は,2基準,4代替案の個別評価値です. AHP(Analytic Hierarchy Process)など 加重和で総合評価する場合の各評価基準の各代替案の値です. この値は,あらかじめ与えられているものとします.

AHPなどでは,別に,重要度を求め総合評価をしますが,ここでは,必要ありません. ただし,AHPの個別評価値のように,各評価基準の値は,ある重みの組を与えて総合評価できるような値であることが必要です.

表1: 数値例(2基準,4代替案の個別評価値)
代替案\基準評価基準1評価基準2
代替案1 0.35 0.15
代替案2 0.05 0.50
代替案3 0.24 0.34
代替案4 0.36 0.01

表1のデータは,比較的単純で,次のようなことがわかると思います. このような関係を集合関数で表現すること提案します.
表2とそのグラフの図1は,各代替案の特徴を表すものです.

表2:各代替案の特徴値 EW
代替案\集合出現回数出現頻度(%) {1}{2}{1,2}
1 25280.00 25.2800 1.207259 -0.698739 -0.500282
2 42063.00 42.0630 -0.697825 0.933980 -0.235039
3 29033.00 29.0330 -0.374173 -0.657517 1.019434
4 3624.00 3.6240 2.675584 -0.698739 -1.949154

{1},{2},{1,2}の意味は次のようになります. 図1による各代替案の解釈は,次のようになります.
代替案1は,{1}が大きく,{2},{1,2}が低いので,評価基準1のみが高いときに1位になることが多いことを示している.
代替案2は,{2}が大きく,{1},{1,2}が低いので,評価基準2のみが高いときに1位になることが多いことを示している.
代替案3は,{1,2}が大きく,{1},{2}が低いので,評価基準1,2がともに高いときに1位になることが多いことを示している.
代替案4は,{1}が大きく,{2},{1,2}が低いので,評価基準1のみが高いときに1位になることが多いことを示している. 代替案1との違いは,{1}と{2},{1,2}の差が激しいので,この傾向が強いことがわかる. また,表2の出現頻度で,代替案1は25%,代替案4は4%なので,代替案4は,選択されることが少ないことを示している.


注意:
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問い合わせ先:
高萩栄一郎 (専修大学商学部)
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