ファジィ・ソフトサイエンス叢書5
ファジィ論理のほとんど全て


書名:ファジィ論理のほとんど全て (ファジィ・ソフトサイエンス叢書5)
著者:中島信之(富山大学名誉教授(元富山大学経済学部経営学科教授))
編集:日本知能情報ファジィ学会ソフトサイエンス研究会
発行所:株式会社 三恵社
定価:3,000 ( 本体 2,778)
ISBN978-4-86487-398-7

序 馬野 元秀(大阪府立大学)

この本の表題「ファジィ論理のほとんど全て」はファジィ的で、少し異色な感じがするように思われる1 。しかし、考えてみると、この表題はあいまいであるが正確である。すべての部分が網羅しているつもりであるが、漏れていたら「ごめんなさい」という正直な気持ちと同時に、十分に調べてあるつもりだが、ちょっとダメな部分もあるかもしれない、人間が調べることですから、というような雰囲気を醸し出している。絶妙な表題であるように思われる。どのような本でも「全て」を名乗った場合、いくら完全に調べてあっても、新しい研究成果が出た瞬間に正しくなくなってしまう。それに、そもそも本当に「すべて」であるとは、最初から誰も思っていない2

この本は中島先生がお書きになった 2001 年 8 月の『t-ノルムの全て』(!!) および2006 年 9 月の『あいまいさの系譜』に続くもので、 (とりあえずの) 三部作の最後 を飾るものと思われる。私が序文を書くようになった経緯は中島先生の「自序」に よると、『あいまいさの系譜』のいちゃもんが効を奏したらしい。中島先生は「富山大学の中島先生」というイメージが強いが3、私のなかではさらにそれ以前の和歌山県立医科大学の中島先生というイメージも残っていて、数学的な視点でファジィを切り裂く、というよりはやさしく撫でまわす先輩という印象を持っていた。私自身も「あいまいさ」と言語や思考との関係がどうなっているかに興味があったので、『あいまいさの系譜』を見た時には、すぐに購入にして熟読した覚えがある。また、「数学」の中島先生と『あいまいさの系譜』の中島先生のミスマッチにも少し興味をもった。

さて、最後に、本書を出版された中島先生には次のことをお願いしたい。まずは、「自序」に書かれているように「論理学事典・辞典」の完成を是非ともお願いしたい。さらに、こちらの方が簡単だと思われるが、次の改訂時に不正確な表題である『t-ノルムの全て』を正確な『t-ノルムのほぼ全て』に変更し、『あいまいさの系譜』 を『あいまいさの系譜のほぼすべて』に変更し(こちらは増補が必要かもしれない)、「ほぼ全て」3 部作として完成させ、広く宣伝して頂きたいと切に願っている。そして、中島先生の今後のさらなる活躍を期待しています。

2015 年 5 月 27 日
(日本知能情報ファジィ学会・会長; 大阪府立大学 大学院理学系研究科・教授)

1 この表題は菊池浩明先生(東海大学)の発案であると「自序」に書かれている。
2 Zadeh 先生がおっしゃるところの disposition (傾向命題) である。また、「サルでもわかる」や「猫でもわかる」などのような刺激的な表題も最近ではよく使われるが、正しいとは誰も思っていない。
3 定年後にファジィシステムシンポジウムなどで自ら発表されている姿は印象的で、私も見習えたらと思っている。

自 序

わたしがそもそもファジィ論理に興味をもつようになった(直接の)きっかけは,ある国際会議で,トロント大学(当時)の TuArksen 教授から「t-ノルムに基づくファジィ論理についてどう考えるか.」という質問を受けたことにあった.この時点で,わたしは質問に答えるだけの知識をもっていなかった.

質問には 2 つのキーワードがあった,つまり「t-ノルム」と「ファジィ論理」である.まあ,いっちょ調べて見ようか,と軽い気持ちで決心した.軽い気持ちで始めたが,実際に文献を渉猟し始めたら,底なし沼に足を踏み入れたようなものだった.

前者,すなわち「t-ノルム」については,2001 年に『t-ノルムの全て』[234] とし て上梓にいたった.当然,次は「ファジィ論理」のはずだったが,ついつい,あいまいさ vagueness に寄り道をした.ザデー先生やらゴーグエンの論文に引用されていたからでもあった.ほんの 2,3ヵ月のつもりだったが,意外に時間がかかり,5 年の歳月を要した.書としてまとまったのは 2006 年のことだった.

この時点で,わたしに残されている時間は決して多くないという感じをもっていた.わたしはいつも - 当然いまも -,この心身状態がつづけば,5 年後も何とか 生きているだろう,その先はわからぬ,と思いつつ生きているからである.といいながらも,すでに 9 年を経過した.

t-ノルムの文献と平行して集めはじめたファジィ論理に関する文献もいつしか 300篇を超えていた.『t-ノルムの全て』が終わったあと,ざっと目を通したので,ファジィ論理に関する蓄積はある程度できていた.とはいうものの,肝心のファジィ論理とは何か- が,どうにもとらえきれていなかった.

そこへもってきて,5 年の空白期間である.ある程度できあがっていた頭のなかの配線はバラバラになるし,新たな文献(その増大ぶりはものすごいものである) の探索も停止したままである.そうした空白をなだめすかし,配線を修復しながら, 新たな一歩を踏み出した.

それから約 10 年,ようやく何とか形が見えてきた.三部作4の最後の 1 冊として, たぶんわたしの最後の著作として,本書を世に問おうと思う.本書の書名は菊池浩明さんの啓示による5

本書は 6 部からなる.第Ⅰ部「ファジィ論理までの道」は論理学全般について解 説した.第Ⅱ部「ファジィ論理」が本書の核である.第Ⅲ部は「論理代数」,第Ⅳ 部は「含意」 - この 2 つの論題は一般論理とファジィ論理にまたがるので,一括 して紹介するのがよいと思った - ,第Ⅴ部は「ファジィ推論法の基礎」を,第Ⅵ 部として「資料篇」を収録する.なお当初は「論理学小辞典」を予定していたが,割愛した.別の機会(もしあれば)にゆずろうと思う.

最後に,わたしがこれまでやってこれたのは多くの方々のお力添えがあった.本書を捧げて感謝のしるしとしたい.

まずは大阪大学の西田研究室,御大の西田俊夫先生6 ,そして竹田英二さん7 ,田 吉男さん,石井博昭さん8,同研究室で博士の学位をとられた元自衛隊の田原明彦さん,その他研究室の面々.大阪大学基礎工学部の稲垣宣生さん9

三恵社を教えていただき,いろいろお世話になった小田哲久さん,ソフトサイエ ンス部会でご厄介になった高萩栄一郎さん,本書の書名をつけてくれた菊池浩明さん,その他諸々の方々.さらに三恵社の方々.

柳瀬氏の書『現代物理学と新しい世界像』[397] を教えてくれた弟,中島義之.同 書はわたしのファジィ研究の転換点になった.妻・須美子に,娘・真紀10 ,もう 1 人の娘の有紀と婿殿・今出川貴寛と 3 人の孫たち・千都と寛太と慶太に捧げる.

今は亡き両親,中島政則と昌子に捧げる.

さらに最後に,本書の序言をいただいた馬野元秀さん11に感謝する.馬野さんに 序言をお願いしたのは,必ずしもファジィ学会長だったからではなく(それも否定しないが),何よりも前著『あいまいさの系譜』を隅から隅まで(文字どおり)目を通していただいた御縁があったからである.序の中で,『t-ノルムの全て』や『あいまいさの系譜』の増補版を出せと励ましていただいたが,退職後のわたしには最新の情報にふれる機会がまったくない.ご勘弁願う.

ありがとうございました.

本当に本当の最後に,今後のことです. このまま何もしないと惚けてしまいそうなので,余生を『論理学小辞典』に挑戦してみようと思う.ホームページで随時公開していくつもりである.

2015 年 5 月 29 日
著 者

4 別に三部作を著そうなどと大それたことは考えていなかったのだが….
5 書名の由来は,わたしが「t-ノルムの場合とちがって,ファジィ論理は守備範囲が広くて,とうてい "全て" とはいかないなあ.」といったのに対する菊池さんの提案であった.
6 大阪大学ならびに大阪国際大学名誉教授.
7 そもそもファジィを教えていただいたのが竹田さんである.
8 以上いずれも大阪大学名誉教授.
9 同大学名誉教授.
10 最近,職が定まった.外来の有害昆虫を研究している.
11 自序を書いている時点で大阪府立大学教授.

目次



序  馬野元秀
自 序 

第 I 部  ファジィ論理までの道                        1

第 1 章 論理学の海図                             3
 1.1 ファジィ論理とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
 1.2 論理とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
  1.2.1 論理と論理学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
  1.2.2 論理学の分類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
 1.3 論理学の海図とファジィ論理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
  1.3.1 論理(学)周辺の海図・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
  1.3.2 論理学内部の海図・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

第 2 章 論理を鳥瞰する (1) 歴史                       8
 2.1 論理と論理学略史・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
  2.1.1 論理の始まり - 伝説から哲学へ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
  2.1.2 名実論争・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
  2.1.3 中国の論理学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
  2.1.4 インドの論理学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
 2.2 論理学略史・つづき - 西洋の論理学・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
  2.2.1 第 1 期 - 古代の論理学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  13
  2.2.2 第 2 期 - 伝統論理学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  15
  2.2.3 第 3 期 - 現代論理学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ 15

第 3 章 論理を鳥瞰する (2) 構造                       18
 3.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
 3.2 構造とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19
 3.2.1 論理の構成要素・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19 
 3.3 形式的体系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
  3.3.1 構文論あるいは証明論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
  3.3.2 意味論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
  3.3.3 完全性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24

第 4 章 論理学各様                              26
 4.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
 4.2 論理学の分類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
 4.3 様相論理学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
 4.4 多値論理学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29
  4.4.1 真偽以外の真理値・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
 4.5 直観論理学と量子論理学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
  4.5.1 直観論理学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
  4.5.2 量子論理学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
 4.6 ファジィ論理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35

第 5 章 論理の完全性                             37
 5.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
 5.2 完全性縁起・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38
  5.2.1 論理主義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38
  5.2.2 完全性と言い出したのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41
 5.3 完全性とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41
 5.4 古典論理の完全性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42
  5.4.1 古典論理の公理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42
 5.5 多値論理の完全性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44
  5.5.1 3 値論理の完全性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45
  5.5.2 3 値論理の完全性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46
  5.5.3 n 値論理の完全性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 48
  5.5.4 非可算無限多値論理の完全性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49
 5.6 ファジィ論理の完全性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49

第 6 章 論理学と数学                             51
 6.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51
 6.2 不完全性定理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52
  6.2.1 モデル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52
  6.2.2 完全性と不完全性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53
 6.3 論理学と集合論と数学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 54
  6.3.1 集合論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55 
  6.3.2 集合論の公理系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 56

第 II 部  ファジィ論理                            59

第 7 章 あいまいとファジィ                          61
 7.1 あいまいさ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61
 7.2 ファジィ集合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62
 7.3 物理学とファジィ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 63
  7.3.1 量子論とファジィ - 柳瀬氏のファジィ観・・・・・・・・・・・・・ 64
  7.3.2 形式論理とファジィ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 65
  7.3.3 世界像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 68

第 8 章 ファジィ論理の船出                          71
 8.1 ファジィ論理の始まり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71

第 9 章 あいまいさの論理                           74
 9.1 あいまいさの歴史・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 74
 9.2 ファジィのあいまいさの論理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 76
  9.2.1 ゴーグエン,「不正確概念の論理」・・・・・・・・・・・・・・・・ 76
  9.2.2 レイコフ,「ヘッジ:意味基準とファジィ概念の論理の研究」・・・・ 78
  9.2.3 レイコフの論文に対する評釈・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 82
  9.2.4 トット「ファジィ論理と様相論理」・・・・・・・・・・・・・・・・ 83

第 10 章 論理回路とファジィ論理                       84
 10.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84
 10.2 論理回路とファジィ論理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84
 10.3 ファジィ論理関数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 86
 10.4 ファジィ導出原理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 88

第 11 章 ファジィ・アルゴリズム                       89
 11.1 ファジィ`論理' の夜明け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  89
 11.2 ファジィ・アルゴリズム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 90
 11.3 マムダニの制御への応用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 94

第 12 章 ザデーのファジィ論理学                       96
 12.1 ザデーのファジィ論理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 96
 12.2 ファジィ論理 - 近似推論の論理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 97
  12.2.1 「ファジィ論理と近似推論」[403](1975 年)・・・・・・・・・・・ 98
  12.2.2 「局所的・ファジィ論理」[22](1977 年)・・・・・・・・・・・・  101
 12.3 ザデーのファジィ論理への批判・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  101
 12.4 その後の展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  104
  12.4.1 その後のザデーのファジィ論理・・・・・・・・・・・・・・・・・・  104
 12.5 ファジィ論理はどこに?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  107

第 13 章 模索の時代                             108
 13.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  108
 13.2 ファジィ論理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  109
  13.2.1 ファジィ論理の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  109
  13.2.2 ファジィ論理に関する諸論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  110
 13.3 ファジィ推論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  114
  13.3.1 ボールドウィン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  115
  13.3.2 ガイルズ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  117
  13.3.3 間接法 - 塚本・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  119

第 14 章 近似推論とファジィ推論                       121
 14.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  121
 14.2 近似推論とファジィ推論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  122
  14.2.1 ザデーの近似推論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  122
  14.2.2 ゲインズのファジィ推論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  123
  14.2.3 ファジィ推論の諸相・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  124
  14.2.4 ファジィ推論が満たすべき性質・・・・・・・・・・・・・・・・・・  124
 14.3 含意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  125
 14.4 ファジィ推論の実践的研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  127
  14.4.1 ファジィ推論と含意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  127
  14.4.2 深見・水本・田中・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  128
  14.4.3 水本-ツィンマーマン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   129

第 15 章 ハエックのファジィ論理                       132
 15.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  132
 15.2 ファジィ論理の構築 :・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   132
 15.3 ハエックのファジィ論理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  135
  15.3.1 基礎論理 BL・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   135

第 16 章 パヴェルカのファジィ論理                      139
 16.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  139
 16.2 パヴェルカのファジィ論理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  139
  16.2.1 論文Ⅰ「多値推論規則」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  140 
  16.2.2 論文Ⅱ「富化剰余束と命題計算の意味論」・・・・・・・・・・・・・ 141
  16.2.3 論文Ⅲ「いくつかの多値命題計算の意味論的完全性」・・・・・・・・ 142
  16.2.4 パヴェルカ後の展開 - ゲルラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・  144

第 17 章 直観主義的ファジィ論理                       145
 17.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  145
 17.2 直観主義的論理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  146
  17.2.1 直観主義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  146
  17.2.2 直観主義的論理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  147
  17.2.3 直観主義的集合論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  149
  17.2.4 直観主義的数学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  150
 17.3 直観主義的ファジィ論理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  150
  17.3.1 直観主義的ファジィ論理を正当づける :・・・・・・・・・・・・・   152
  17.3.2 直観主義的ファジィ論理とファジィ論理・・・・・・・・・・・・・・  153
  17.3.3 ファジィ論理と集合論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  156
 17.4 証明の形式化 - LK と LJ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   157


第 III 部  論理代数                             159

第 18 章 論理代数への道 (1) - ブールまで                  162
 18.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  162
 18.2 アリストテレスと伝統論理学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  162
  18.2.1 アリストテレス・論理の形式化・・・・・・・・・・・・・・・・・・  163
  18.2.2 伝統論理学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  164
 18.3 ライプニッツ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  167
 18.4 ブール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  171
 18.5 ライプニッツ・ブールから現代へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  174

第 19 章 論理代数への道 (2)ブールから現代へ                 176
 19.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  176
 19.2 ブールから現代へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  177
  19.2.1 ブールの `代数' から束へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  178
  19.2.2 パースは含意 (包含関係) から始めた・・・・・・・・・・・・・・・  178
  19.2.3 デデキントは max と min から始めた・・・・・・・・・・・・・・・  179
  19.2.4 オアを経てバーコフで完成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  179
  19.2.5 名前と記号の系譜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  180
 19.3 ブール代数とその表現・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  181
  19.3.1 ブール代数の公理系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  181 
  19.3.2 ブール環の表現定理とイデアル・・・・・・・・・・・・・・・・・・  182
 19.4 ド・モルガン代数とクリーネ代数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  186
  19.4.1 ド・モルガン代数とクリーネ代数と論理・・・・・・・・・・・・・・  186
  19.4.2 ド・モルガン代数とクリーネ代数の系譜・・・・・・・・・・・・・・  187
 19.5 ゼロ,中心,あるいは不動核・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  190
 19.6 代数系用語集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  193
  19.6.1 群・環・体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  193
  19.6.2 束・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  194

第 20 章 リンデンバウム代数                         197
 20.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  197
 20.2 論理代数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  197
  20.2.1 論理と代数をつなぐリンデンバウム代数・・・・・・・・・・・・・・  198

第 21 章 ファジィ論理代数と論理関数                     201
 21.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  201
 21.2 ファジィ論理とその代数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  202
  21.2.1 ファジィ論理代数への道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  202
  21.2.2 `拡張' ファジィ論理とその代数・・・・・・・・・・・・・・・・・   203
 21.3 クリーネ代数の論理はどんなファジィ論理か・・・・・・・・・・・・・・  203
 21.4 ファジィ論理関数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  204
  21.4.1 2 値論理関数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  204
  21.4.2 ファジィ論理関数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  205
 21.5 ある試み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  207


第 IV 部  含  意                              209

第 22 章 総論 - 古典論理の含意                       212
 22.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  212
 22.2 「ならば」のどこが・なぜ難しい?・・・・・・・・・・・・・・・・・・  212
  22.2.1 「ならば」の混迷・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  213
  22.2.2 含意をめぐる考察(あるいは妄想)・・・・・・・・・・・・・・・・  214
  22.2.3 古典論理の論理演算・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  216
 22.3 含意略史 - アリストテレスから古典論理まで・・・・・・・・・・・・・  217
  22.3.1 古典古代ギリシアの含意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  217
  22.3.2 アリストテレスと含意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  218
  22.3.3 フレーゲ以前・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  219
  22.3.4 フレーゲの『概念記法』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  220 
  22.3.5 ラッセルの実質含意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  221
  22.3.6 古典 2 値論理の含意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   221
 22.4 含意をどう定義するか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  222
 22.5 含意公理化への道筋 :・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   223

第 23 章 多値論理の含意                           225
 23.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  225
 23.2 多値論理の系譜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  225
 23.3 含意の性質・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  229

第 24 章 ファジィ含意                            233
 24.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  233
 24.2 ファジィ含意の歴史 :・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   234
  24.2.1 始まり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  234
  24.2.2 ザデーとファジィ論理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  235
  24.2.3 活気と混迷 - マムダニ効果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  236
  24.2.4 独自の展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  237
  24.2.5 ファジィ含意探し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  238
  24.2.6 整理と収束の方向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  238
 24.3 t-ノルムとファジィ含意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   239
  24.3.1 t-ノルム(ファジィ)論理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  240

第 25 章 含意の公理系                            242
 25.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  242
 25.2 これまでの含意の公理系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  243
  25.2.1 含意断片論理の含意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  244
  25.2.2 ファジィ論理の含意関数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  245
  25.2.3 クリーネのファジィ論理の含意・・・・・・・・・・・・・・・・・・  246
 25.3 含意の公理系への道 :・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   248
  25.3.1 意味論的性質・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  248
  25.3.2 構文論的性質・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  251
  25.3.3 他の演算との協働の公理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  253

第 26 章 剰余含意                              255
 26.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  255
 26.2 イデアル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  256
 26.3 剰余束・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  257
 26.4 R-含意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  259
 
第 V 部  ファジィ推論法の原理                                       261

第 27 章 ファジィ推論法 - (1) 制御の推論法                               263
 27.1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  263
 27.2 ファジィ推論法の周辺・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  264
 27.3 ファジィ推論法の始まり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  265
 27.4 ファジィ推論法の仕組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  266
 27.5 ファジィ推論法 - 制御と評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  269

第 28 章 ファジィ推論法 - (2) 評価の推論法                               272
 28.1 はじめに - 評価とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  272
 28.2 評価の問題の諸相・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  273
 28.3 評価のファジィ推論法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  273
  28.3.1 評価のファジィ推論法の特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  274
  28.3.2 評価のファジィ推論法の要件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  274
 28.4 今後の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  277
 28.5 その後のある展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  278

第 VI 部  資  料  篇                                                279 

第 29 章 ファジィ語録                                                     281 

第 30 章 ファジィ集合                                                     284
 30.1 ファジィ集合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  284
 30.2 L-ファジィ集合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  285

参考文献                                                                 287



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