「経済成長理論」⇒ 資本ストック(K)、労働投入量(N)、技術進歩率(A)
⇒ 個々に分析
前提:「日本経済は成長できる条件を満たしている」
⇒ 阻害要因を考える
・ 企業が投資に悲観的
・ 低成長部門に資源が縛られている
→ 技術水準の伸び悩みが起こっているのではない
投資の理論
・ 限界効率 R:予想収益率 ・:実質利子率 に基づいて投資が決まる
・ 速度理論 ΔY:今期の産出量の増加量に基づいて投資が決まる
・ トービンのq:q=企業の市場価値/現在の資本をすべて買い換えるのにかかる費用
一つ目の理論を見ると、・はデフレ下であるため多少プラスであるがそれ以上に、Rは長期不況のおかげで低下傾向にある
⇒・、Rともに投資を押し上げる要因を持っていない
トービンの理論ではこの数値が低ければ、企業の市場価値が小さいか現状で資本が過剰かである。市場価値が低すぎるのに生き残っている企業はこの値から考えれば一目瞭然である。
経済成長論 ソロースワンモデルの生産関数:Y=A・F(K,N)
A:全要素生産性←技術水準を表す
K:資本ストック
N:労働投入量
⇒このモデルではA,K,Nの三つによって生産量Yが決定される
GDP成長率はΔY/Yで表されるため、変化量を見ると次のように変換できる
ΔY/Y=α・ΔK/K +(1−α)・ΔN/N + ΔA/A
つまりこのモデルでは経済成長を達成するためには次の三要素の増加が必要
・:技術進歩率 (A)
・:資本ストックの増加 (K)
・:労働投入量 (N)
では上の3要素について日本経済で見て見ると
・:日本の技術水準は低くないと思われる
・:高貯蓄率は資本ストックの増加(=投資)の必要条件
・:増加はしていないが潜在的には低下もしていない
⇒しかし、実際は日本は十分な経済成長を達成できない現状にある。これはつまり
「日本経済には十分な経済成長を達成できる要素をもっているのに何らかの阻害要因によって妨げられている」
⇒まさにスラックス経済
阻害要因候補
・長期にわたる不況が企業の予想収益率を低下させているため高貯蓄を生かせない
・不良債権処理の遅れにより、低生産性部門に資源(人材・資本)が縛られていることで技術進歩率が低い
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