2002年ゼミ活動第4回(5月9日) 書記:岡田 Web:白井

(1) 来週のゼミについて
(2) 今後の輪読本に関して
(3) 就活を終えた先輩方より一言
(4) 本日の議題「財市場から観たスラックス経済」


(1) 来週のゼミについて

 教室がまだ未決定ですので、来週はは98Gで行う
 5月16.23.30日も同室にて行う

(2) 今後の輪読本に関して

 輪読本用の文献が決定しましたので、MLで流すので各自確認すること

(3) 就活を終えた先輩方より一言

今週より高村さん、永松さん、田村さんがゼミに復帰しました。
 後輩へアドバイスとして一言頂きました。

高村さん「就活には人それぞれのやり方というものがあるので、悔いのないよう皆さん頑張ってください!!」
永松さん「面接ではいかに自分をアピールするかが大事である。自分を最大限アピールできるよう、まずはゼミ内でのディスカッションに積極的に参加しましょう!!」


「財市場から観たスラックス経済」

マクロ班
朴、井口、原、福村、山本

「経済成長理論」⇒ 資本ストック(K)、労働投入量(N)、技術進歩率(A)
         ⇒ 個々に分析
 前提:「日本経済は成長できる条件を満たしている」
⇒ 阻害要因を考える
・ 企業が投資に悲観的
・ 低成長部門に資源が縛られている
→ 技術水準の伸び悩みが起こっているのではない

投資の理論
限界効率 R:予想収益率 ・:実質利子率 に基づいて投資が決まる
速度理論 ΔY:今期の産出量の増加量に基づいて投資が決まる
・ トービンのq:q=企業の市場価値/現在の資本をすべて買い換えるのにかかる費用
一つ目の理論を見ると、・はデフレ下であるため多少プラスであるがそれ以上に、Rは長期不況のおかげで低下傾向にある
⇒・、Rともに投資を押し上げる要因を持っていない
トービンの理論ではこの数値が低ければ、企業の市場価値が小さいか現状で資本が過剰かである。市場価値が低すぎるのに生き残っている企業はこの値から考えれば一目瞭然である。

経済成長論 ソロースワンモデルの生産関数:Y=A・F(K,N)
  A:全要素生産性←技術水準を表す
  K:資本ストック
  N:労働投入量
 ⇒このモデルではA,K,Nの三つによって生産量Yが決定される

GDP成長率はΔY/Yで表されるため、変化量を見ると次のように変換できる

  ΔY/Y=α・ΔK/K +(1−α)・ΔN/N + ΔA/A

つまりこのモデルでは経済成長を達成するためには次の三要素の増加が必要
  ・:技術進歩率 (A)
  ・:資本ストックの増加 (K)
  ・:労働投入量 (N)

では上の3要素について日本経済で見て見ると
  ・:日本の技術水準は低くないと思われる
  ・:高貯蓄率は資本ストックの増加(=投資)の必要条件
  ・:増加はしていないが潜在的には低下もしていない
⇒しかし、実際は日本は十分な経済成長を達成できない現状にある。これはつまり
「日本経済には十分な経済成長を達成できる要素をもっているのに何らかの阻害要因によって妨げられている」
⇒まさにスラックス経済

阻害要因候補
・長期にわたる不況が企業の予想収益率を低下させているため高貯蓄を生かせない
・不良債権処理の遅れにより、低生産性部門に資源(人材・資本)が縛られていることで技術進歩率が低い

ミクロ班
伊藤(和)、白井、伊藤(瑠)、間仁田、大城

フィッシャーのデット・デフレ理論

フィッシャーのデットデフレ・理論のグラフ

P↓⇒収益↓⇒債務返済のため投げ売り(供給過剰)⇒P↓⇒収入増えず、借金返済できない+在庫・物資の価値↓(含み損)⇒Debt/P↑⇒P↓

トービンのQ理論
I * =(1/2C)q q = S/K

Y↓=稼働率↓
在庫↓
投資↓
(規制緩和前)
中国→検査のために日本に輸出→日本→検査済みを輸出→アメリカ

(規制緩和後:現在)
中国→検査無しで直接輸出→アメリカ

どの産業も在庫、生産、投資、稼働率とも低下傾向が見られた。
また在庫の減少は、規制緩和のため国内在庫の減少が影響と考えられ、今後考察する必要がある(在庫の国際間移動)。

前提:経済成長率↓
デフレ・資産デフレ(土地・株式)
貸し渋り−資金が生産性の低い産業に滞留
バブル以来の過剰投資・過剰設備

構成:
 スラックス(能力の余剰)
 在庫(+)
 稼働率(−)
 労働生産性(−)
 L
 K(+) 新規の能力
 投資I=I(L,A,Q)
※ L:銀行貸出,A:担保などの資産,Q:トービンのQ=S/K
※ S:株価,K:既存の設備


産業別成長率

国際班
高橋、長谷川、岡田、関、金子、島崎

前提:国外要因が、国内の市場に与えた影響に着目すること
産業空洞化 → 国際・国内市場への影響
セーフガード、ダンピング、貿易収支、メガコンペティション
⇒ ISバランス、開放マクロ(理論・データ等)

司会者
井口

各班がまだ模索段階であるが、全体としてはバブル後の日本について広く分析を行い、その中でスラックスについて考えるという方向性は明確になった。これからの方向性としては、スラックスを考えていくなかで、日本経済停滞の本質的な要因というものを各班からの多角的な分析によって見つけだしていきたい。



書記からの連絡

* 今回の書記に関して、何かご意見がございます方は、書記係岡田までお願い致します。

岡田→w120241@isc.senshu-u.ac.jp


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