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山一證券の自主廃業から思うこと-------ここ1ヶ月の間に都市銀行の北海道拓殖銀行や準大手証券会社の三洋証券が潰れ、金融機関に不安定感があるが、ついに今週(発表は先週の金曜日の深夜)、四大証券会社の一つである「山一證券」が自主廃業に追い込まれる形となった。
私は、「山一が危ない状態になるのでは・・・。」と知人から教えられていたので、さほど驚きもしなかったが、驚いた人が多いであろう。まして、山一證券の社員でさえ当日まで知らされていなかったのであるから・・・。
山一證券は、一連の「利益供与事件」で信用を失い、顧客離れが進み、最終的には、株価の下落により、資金繰りがうまく行かなかったことにより自主廃業に追い込まれた形である。表面的には以上であるが、裏では、「飛ばし」の行為があった模様であり、そして損益を簿記上に記載されない簿外債務処理を行っていたため、影の債務が多くなり経営難になったことも自主廃業の原因であろう。
実際に調べて見たわけではないが、山一證券が行っていたような「飛ばし」や簿外債務処理行為をすることは日本の金融機関に横行しているのではないかと推測される。もしそうだとした場合、即、襟を正すべきであろう。また、大蔵省は、早急にすべての金融機関を調査すべきである。
これから日本の金融界は、ビックバンの航海に入っていく。そこで、今までの体制を改めなければならないという「金融機関の意識改革」は当然のことであるが、同時に「我々の金融機関に対する意識改革」が必要である。我々は、金融機関に対してどのような気持ちで自分のお金を渡しているのだろうか。大抵の人は、「お金を預ける」という気持ちであろう。私も「預ける」という気持ちであった。しかし、そのような考え方ではビックバンに対応できないと思う。「お金を貸す」という気持ちに切り替えるべきである。私は、「預ける」から「貸す」に変えるだけで、我々の金融機関に対する意識の持ちようが変わるのではないかと考えている。そして、「お金を貸す」という立場からもう少し考えてみよう。我々が、銀行などからお金を借りる(銀行などから見れば貸す)とき、必ず信用調査がなされるはずである。年収がどれくらいあり、資産がどれくらいあるかによって、お金を返せるか返せないかを調べるはずである。我々は、金融機関が行っているその行為の逆をすればよい。つまり、銀行などに対して信用調査をしなければならない。だが、現状は情報を開示していないために信用調査ができない。そのためにも、情報開示をし、我々が、信用調査ができる体制を作らなければいけないだろう。これからのビックバンに対して、「我々の金融機関に対する意識改革」と「情報開示」はキーポイントとなることであろう。
今、山一證券の社員の方にとって大変つらい立場であると思います。また、特に山一證券に内定し、来春卒業をされる方は大変不安であるかと思います。私は、山一證券社員の方々と内定している方々の働き口が見つかることを祈りつつ「今週の顔」を締めさせていただきます。