今週の担当者:永尾 龍太郎 ご意見はこちらまで
新年早々暗い話題になってしまうのですが、僕を含めてこれから就職活動を控えている新四年生にとっては重要なことだと思うので、考えてみたいことがあります。それはどんな事かというと、企業の景気認識が半年で急変してしまった事についてです。
東京新聞(1998年1月3日付)が全国主要企業207社の回答を基にまとめた景気アンケート調査(1997年12月実施)によると、ほぼ全社が「停滞している」「後退を始めた」と、大半の企業が景気の現状に強い危機感を抱いているということです。前回の調査(1997年5月実施)では約7割が「緩やかな回復」と回答していたのに比べ、企業の景気に対する認識は全く変わってしまっています。グラフでもわかるように、「緩やかな回復」という回答が今回の調査では無くなってしまいました。
それに加えて、景気回復が実感できる時期も「99年以降」がほぼ半数を占めており、9割近い企業が、今年前半は低迷が続くとみているそうです。
原因としては、やはり金融機関の破綻・不良債権問題や株価の低迷、アジア通貨危機による経済の混乱などが挙げられるでしょう。良い話題はほとんど思い出せません。最近のニュースを見ていても、企業の淘汰が始まっているのを強く実感します。
また、政府の対応の仕方にも原因があると思います。消費税率の引き上げによって個人消費が控えられたり、今度実施されるたばこ税についても、景気対策には使われないそうです。今すべき事は景気対策だと思うのですが。
これから就職活動を始める僕たちにとっては暗い材料ばかりあるように思えます。昨年は山一證券の破綻による内定の取り消しといった事もありました。このような事は今後も起こりうることだと思います。中小企業においては今までにもある程度起こっていた事だと思いますが、これからは大企業でも安心できなくなっていくのではないでしょうか。会社は採用者を選びますが、僕たちもその会社の将来性というものをよく考えてみるべきだと思います。僕としてはあと10年ぐらいはこのまま横這いの状態が続くのではないかと思っています。これからビックバンや規制緩和によって外資系企業の参入などが相次ぎ、市場の淘汰が一層強くなってくると思います。しかし、これを乗り越えることができれば、日本の企業は本当の意味での国際競争力を身につけることができるのではないでしょうか。そうなることを願いつつ、頑張って就職活動しよっと(もちろん就職してからも頑張りますよ)。