「就職活動回顧録」
住銀リース株式会社
Nozaki.M
大学に入って早3年.....気が付いたら、あっという間に就職活動に突入!
しかし、3年進級時に50単位しか取得していなかった僕は肝心な「卒業見込み証明書」さえ取れるのか不安な状況の中、あまり積極的に就職活動には取り組む気力も無く、3月にハワイに旅行に行ったり温泉に行ったり、資料請求も2月になってようやくハガキを書き始めました。
そんな消極的な僕に更に追い討ちを掛けるように、ナント、3月下旬に自宅の階段でコケてしまい足を骨折!!
「さあ!これからセミナー行くぞ!!」という時期に足の骨折は辛かった...と同時に「世間」の冷たさも痛感しました。
それでも何とか、企業に拾ってもらう事が出来ました。感謝!感謝!!
その1:出陣前夜(前年10月〜2月)
皆さん御承知の通り、就職活動には想像以上のお金が掛かります。
例えば、大体、都心に出るのに電車賃が往復で¥1,000位、そして昼飯(¥500)です。
最低これ位の金額が、毎日必要となるので、よっぽど、あなたが放蕩息子でない限りは両親に対し、申し訳ないな..と思うはずです。
ですから、この時期にお金をしこたま貯めて出陣に備えましょう!
又、資料請求ですが、最近はリクナビ等のE-mailによる一括送信機能等がありますが、正直言って、あまり当てになりません。
これは企業のホームページ上からの資料請求も同様で、私の場合、結構送ってくれない企業がありました。
まだまだハガキが無難ですが、最近はハガキを受け付けない企業もありますので注意しましょう!
そして、この資料請求ハガキに関しても、「手書きの官製ハガキの方が良いよ!」等と、得意気に、のたまう輩がいますが、リクルートのハガキで全然OKです!
こんな些細な事にビビってる小心君ほど、実際、落ちてます!ハイ!!
事実、資料請求を始めた頃、宛先の「〜行」という文字を消して「〜御中」とする事さえ知らなかった僕にさえ、ちゃんと資料が届いてましたし....
とにかく、資料はタダなんですから、貰えるだけ貰っておきましょう!
資料請求に関しては、早く請求する事等は常識なので、もうこれ以上は書きません。
あと、皆が必死こいてやっている「自己分析」ですが、僕にはあまり意味の無いような気がします。
「今迄、一番感動した事は何か?」とか、そんなアホ臭い事をノートにまとめる時間があったら、せっせとハガキ書きましょう!
ちょっと、楽観的かもしれませんが、「何がなんでも、この仕事に就きたい!」という熱い信念さえあれば、もうその人は、既にその仕事に対して適性があるのではないでしょうか?
好きな仕事だったら、どんな嫌な事でも耐えられますし、必死になって努力しようとしますよね?
その2:相手を選ぶ(?〜退職するまで)
世の中には腐る程の数の企業、職業がある中で、何を基準に選ぶかというと、「ステイタス」、「収入」、そして「自分の好き嫌い」の3つに集約される傾向がある様に思いますが、やっぱり、自分が少しでも「興味・関心がある事」を仕事にした方が、より良い結果をもたらすのではないでしょうか。
よく「趣味は仕事にするな!」という意見を耳にするけど、まあ、これは自分の好きな事は仕事にせずとっておけ!っていう意味なんだろうけど、確かに一理あるかもしれない。
でも、同じ仕事をこなすのであれば、少しでも興味がある事の方が、知識の吸収力が全然、興味の無いそれと比べて早いよね?
やはり本人の全く興味が無い事を一生懸命勉強したって、先は見えていますし、絶対、自分の好きな事を仕事にした方が自分にとっても、その企業にとっても有益だと思います。
あと、就職に関し傾斜生産時代の脳ミソを持った親の意見はシカトしましょう!
彼らが認める企業の価値基準は今後の成長性等といった先見的な物ではなく「世間体」という“御近所の見えざる手”によって導かれています。
彼らの言う「今日の花形産業」は「明日の斜陽産業」なので、くれぐれも気を付けましょう!!
あと、OB訪問ですが、僕にとって、この行為は単なる「点稼せ行為」にしか思えなかったので、1人も訪問しませんでした。
OB訪問をしている人の内、一体、何割の人が、その仕事に本当に興味を持ち、本当にその仕事内容を知りたいと思っているか甚だ疑問です。
そんな事は、いくらでも本などで知る事が出来ますし、ここで、どんなOB訪問にも勝る本を挙げておきます。
ダイヤモンド社から出ている「会社図鑑!」(上巻・下巻)という本です。
面白いので是非、一読する事をお勧めします!
OB訪問というのは、要は志望企業(リクルーター)と自分とのパイプを作るための行為であり、まだまだリクルーター制が残っている様な金融業界では健在ですから、金融業界を狙っている方は注意して下さい!
よく、オープンエントリー等と、「ウメ銀行」が、のたまわってますが、あれは真っ赤なウソです。
そして、この時期になると、よく接触したOBの数を自慢する輩が出現しますが、何ら動じる事はありません!
又ですが、そんな奴に限って、落ちてます!安心して下さい。
僕も自分の内定先にリクルーター制があったなんて、後から知りましたし...大丈夫です!!
それと、僕の場合は三男だったため、既に働いている2人の兄と、その友人、そして父親という社会人達に囲まれて過ごしてきました。
そういう意味ではOB訪問でする事を、家庭内で行って来る事が出来たので仕事という物に対する考えが養われていったのかもしれません。
その3:セミナー乱立期(3月下旬〜5月下旬)
なぜか1年で54単位という驚異的な単位数を取得する事に成功し、かろうじて「卒業見込み証明書」を手にした僕は、ここから炎の追い上げを開始しました。
セミナーに行った企業は、「銀行」から「スターバックス・コーヒー」まで、自分が興味を持った、ありとあらゆる企業を松葉杖を突きながら、まわって見ました。
数々のセミナー会場で、「こんな時期にスキーに行くなんて信じらんない!?」と、まるで僕がスキーをしたために骨折したと勘違いした学生達から「軽蔑の眼差し」で見られ、とても辛かったです。
でも、小学校の頃から僕は「遠足」よりも「社会科見学」の様な、日頃出来ない体験をさせてもらえる事の方が好きだったので、セミナーも「社会科見学ノリ」で積極的に楽しませてもらいました!
セミナーでは日頃は入れない本社ビルに入れたり、近くにあるプレイスポット等に寄ったり、お気に入りの「スターバックス・コーヒー」が比較的近くにあれば、わざわざ遠回りして寄ったりと、何か1人で楽しんでました。
また、セミナーの後半に「何か質問はございますか?」という決まり文句が人事の方から出ると、「ここぞ!」とばかり、しゃかりきに手を挙げ、どうでも良い事を得意気になって質問する「ハリキリ大魔王」に遭遇する事が出来ます。
そんな、日頃お目にかかれない「アホアホ学生」を鑑賞したり、タダでジュースが飲めたりと、何か「セミナー」と聞くと身構えてしまう方も多いかもしれませんが、そんな必要はありませんから安心して下さい。
僕の場合、セミナー終了後にいきなり筆記試験という事はありませんでしたけど、比較的規模が小さな企業では、採用コストを抑えるために「次に筆記試験に移って頂きます!」という事が多々ある様です。
でも、一度だけですが、セミナーを申し込んで、行ってみたら、いきなり応接室に通され1対1の人事面接という事もありました。
その時は急いでいたために、ヒゲも剃らず、髪もボサボサで、シャツも青シャツという状況で冷や汗ものでしたが、何とかなりました。
ですから、無理して周りに合わせず、自分の好きなカッコでも常識の範囲内なら大丈夫でしょう!
もし僕が人事の人間ならば、画一化された容姿をしている学生よりも、あえてリスクを選び個性的なカッコをしてきた学生の勇気を買いますし、そんな「見てくれ」だけでその人を判断するような会社なんか、こっちから願い下げです!
その4:最大の難関?(3月〜5月)
セミナーの次は大抵、筆記試験という足切りが待っており、僕の場合、これが最大の難関でした。
もう、ご存知とは思いますが筆記試験の方式には「SPI」、「クレペリン検査」、「一般常識」、「自社製作テスト」があり、特に「SPI」では言語問題が解けるのは当たり前で、算数・理科能力で差が付きます。
又、時間に追われるあまり、マークシートの残りの解答欄を「当て勘」で埋めると、SPIには「誤謬率」という思わぬクセモノが存在するので気を付けましょう。
これは回答数に占める不正解率を示す物で、事務処理能力の正確さがモロに出てしまうので、分かる問題だけに手を付けて正確な解答を導き出す事に努めましょう。
下手に「当て勘」で沢山の問題に手を付けるより、少ない問題数で正確な回答をする方が当然、「誤謬率」は下がり、高得点が狙えます。
僕は最初の頃、ひたすら「当て勘」で残りの解答欄を塗りたくっていたので、ほぼ即死状態でした。
そして、一発逆転を狙えるのが、最後に挙げた「自社製作テスト」です。
これは問題が全く予想できないので、SPIの様に事前に対策を練る事が出来ません。
従って、「SPI」や他の「一般常識テスト」には出題されない様な問題が出ると、SPIを得意にしているような人でも、太刀打ちが出来ません。
ましてや、自分の得意分野が出題されると、大きく他の「SPIプロパー学生」達に差を付ける事が出来ます。
例えば金融用語でしたら、「譲渡性預金の略称を答えよ。」とか「ROE、CBの正式名称は何か答えよ。」等です
正直申し上げて、僕が筆記試験を通った企業はホントに手で数えられる位なので、あまり大きい事は言えませんが、僕の知る限りでは「早稲田経営出版」から出版されている「SPI・30秒早解法」という本を1冊やっておけば絶対大丈夫です。
SPIを得意とする優秀な学生の多くはこの本を使っていました。
あと、能力検査の後に行われる性格検査ですが、なるべく自分の性格に正直に解答した方が良いと思います。
性格検査の攻略本などありますが、点数稼ぎの為に自分の性格に偽った解答をしても、その偽った性格を基に企業は配属などを決めるのですから、適性の無い部署に配属されても後で自分が苦労するだけです。
これらさえクリアすれば、あとはこっちのものです!!
その5:面接必勝法!(4月〜6月)
面接と聞くと「最大のハードル」と感じる人が多いですが、僕は面接大好きでした!
正直言って、面接は楽しんだ者勝ちです!!思いっきり楽しみましょう!!!
選考過程を通して感じた事は、面接で落ちる人というのはズバリ「話しすぎる人と、話さない人です」。
この中間を行くのが難しいのですが、場数を踏めば段々と身に付いていくと思います。
それと面接に際し、「自己PR」、「志望動機」そして「会社に入ってやりたい事」の3点セットは、まず聞かれますが、電車の中で必死に志望動機とかを考えて行っても、意外に聞かれない事があるので、その時の落胆は大きいです。
又、「会社に入ってやりたい事は?」と聞かれると、多くの学生が少しでも注目を惹こうと、現時点でその企業が取り組んでない事業等を考えがちですが、無理してまで、そんな事を考える必要はありません。
むしろ、現時点で企業が取り組んでいる事業や、自分の希望の部署があるのなら、積極的にそれを主張し続けましょう!
意外とそれが、志望動機と直結する事があります。
そうすると大抵、人事の方は「では、希望の部署に就けなかった場合はどうしますか?」と聞いてきますが、そんな時は「その希望部署に配属される様に実績を出します!」と僕は答えていました。
僕の場合は「航空機部で働きたい!」と主張し続け、たまたま人事部長面接の時、その面接官が過去に「航空機部」に在籍していた人で、面接終了後に、お話をしたり、たまたま人事の方と一緒に乗った会社のエレベーターに乗って来られた方が「航空機部」の方で、紹介してもらって、お話を聞けたりとか結構、ためになりました。
あと、これは何かテクニック的で、イヤラシイかもしれませんが、自分が強調したい事、面接官に聞いてもらいたい事等は、敢えてスキを作りながら話をすると、面接官の方がそれを見逃すはずはありません。
「ここぞ!」とばかりに「では、具体的に聞かせて下さい。」等と突ついてきますが、ここで動じる事はなく、「待ってました!!」とばかりに具体的な話を聞かせてあげて下さい!!
注意して欲しいのは、ここで興奮するあまり、鼻息荒く話し過ぎない事です.....そうすると落ちます。
それと、面接では無難な回答をする事は極力避けた方が良いと思います。
「御社が第一志望です!」等と言う事は僕は出来ませんでした。
あくまで本音ベースで、自分なりの考えを、「自分のコトバ」でハッキリ主張し、相手に伝える事が大事だと思います。
自己PR等は、言わば、自分でプランニングする「自分のCM」みたいなものです。
よく見るTVCMとかで大袈裟に感じるものもあると思いますが、それ位の誇張なら「自分のCM」もOKです。
又、少し位の誇張があっても、JAROに訴えられる事もありませんから、安心して下さいね!
企業だって、セミナーで誇張しまくってるんですから、お互い様です!!
しかし、「自分のCM」を見た人事の方が「つまらん!」と評価を下す事もあります。
僕はアニメの「コジコジ」を、高く評価していますが、それを下らないと評価する大人が居る様に、物事に対する評価は人によって大きく分かれます。
自分が、絶対に賞を取れると思った「自分のCM」を作り、それを相手に思いっきりぶつけられたとしても、相手に伝わらなければそれ迄です。
あなたはその会社にとって必要の無い人間だったという事です。
自分を見る目が無いそんな会社に間違って入らなくて良かったと思いましょう!
相手も自分を必要としていないし、自分も相手を必要としていないので両者にとって有益です!
その6:内定が出たら...(5月〜死ぬまで?)
この頃になると、ちらほら「内定」という言葉を周囲で耳にしたり、「内定」という事を意識し始めている自分に気付くようになります。
確かに周りの学生達が内定を沢山持っていたら焦るかもしれませんが、どんなに沢山の内定を持っていたとしても、結局、最後に就職する企業は一つだけです。
ですから、そんな外野は無視して、「自分は自分!」とマイペースで活動を続けて下さい。
そして幸運にも内定を貰ったら、その返答は出来るだけ早く人事の方に伝えましょう。
というのも、人事は本当に欲しい人材には優先順位を付けて内定を出しているからです。
一緒に最終面接を受けた学生に対し「一週間以内に、ご連絡差し上げます..」と人事の方が言っても、人事が本当に欲しい人材には、その当日か翌日に連絡をし、内定を断られたら、次の優先順位の学生へ連絡し、あとはその繰り返しです。
内定を貰っても行く気が無い企業の内定は早めに断りましょう!
そうする事によって、当然そこに存在しているであろう、ヒヤヒヤしながら内定を待ちわびていても未だ人事から連絡が来ない“内定予備軍”の学生を、少しでも早く気持ち的に楽にしてあげる事が出来るし、又、企業の採用活動に多大なる迷惑をかける事もありません。
「内定を貰ったらこっちのモン!どうしようが勝手!!」なんて思わずに、他人の事まで配慮できる人になって下さい。
又、内定辞退の際は、電話などで簡単に済まそうとはせずに、相手の元まで出向きましょう!
確かに、相手にとって好まざる結果を報告するのですから、会いに行きづらいという気持ちも分からないではありませんが、そこは逃げずに、キチンとした大人の対応をしましょう。
仮にも自分という人間を評価して下さった方ですから、最大限の礼を尽くすべきです!!
そして、ただ内定辞退の旨を人事に伝えるのではなく、せっかく頂いた内定を、何故自分が辞退しようとしているのか、正直に「自分なりの言葉」で「自分の考え」を相手に伝えれば、絶対、人事の方は納得され、最後には応援さえしてくれると思います。
あと、いくつか内定を持っているのに、どこにしようか迷っている様な時は、初心に戻ってみる事をお勧めします。
人事の人が良くしてくれたから....、業界トップだから.....等という様な「情や世間体」に惑わされる事無く、
「自分のやりたい事が一番実現できそうな企業はどこか?」という尺度で選べば良いと思います。
何かに迷った時は、常に初心に帰りましょう!
その7:最後に...(?〜?)
僕は幼い頃から飛行機が大好きで、何か間接的にも自分の好きな物に携われる仕事に就きたいと思っていました。
「卒業見込み証明書」が取れるのかハラハラしながらの資料請求、セミナー開催目前にしての骨折、同じ日に内定が集中と、トラブル続きの僕の就職活動でしたが、振り返ってみると、辛かった思い出よりも、むしろ楽しかった事ばかりが思い出されます。
又、人の優しさにも触れる事が出来ました。
雨が降っていても、足を骨折していて松葉杖を使っているため、当然、両手がふさがっている僕は傘を差しながら歩く事などは出来ませんでした。
「濡れてもしょうがないか!」と思い歩いている僕の姿を見つけた親切な人が「見ていられないから....」と言って傘を差し出してくれ、一緒に歩いてくれました。
彼も同じセミナーに参加していた就職活動中の学生でした。
彼の思わぬ優しさに、有り難くて本当に涙が出そうになりました。
今、就職活動を終えて、実感する事は、「結局、最後は自分次第!」という事です。
周りの人達がこうしている...、他の人はああだ...等と周囲の雑音は何ら気にする事はありません。
どんなに多くOB訪問している人でも、どんなに多くの企業を受験している人でも、正直言って、落ちる人間は落ちます。
そんな周囲の雰囲気に流される事無く、「確固たる自分」という物を持ち、「自分の頭」で考え、「自分で行動」すれば、自ずと道は開けると思います。
後になって「あの時こうしていたら良かった...」等と後悔しないためにも、アガけるだけアガきましょう。
随分と偉そうな事ばかり書いてきましたが、これから就職活動に臨まれる現3年生の方々が満足のいく活動を終えられる事を祈ってます。
頑張って下さい!応援してます!!
Nozaki.M makoto-n@wb3.so-net.ne.jp