ゼミ合宿について

 

315日 1400に伊勢原駅集合した一年生のほとんど全員が、英語のスピーチの暗唱をしていた。かなり真剣にやっていて、遠くからみたら、まるで何かに皆とりつかれたようになっていた。先輩大丈夫ですかねーとか、どうしようとか皆、言っているわりには、みんな覚えているようであった。今年の一年生は、なんかすごそうだと感じた。

バスに乗り、合宿先の伊勢原セミナーハウスについた。しばらく休憩後すぐに、自己紹介タイムが始まった。なかなか、自己紹介というのは、むずかしく日本人は、すぐごにょごにょとなって、なかなか自分の姿をすぐにアピールできない。これからのグローバルスタンダード時代におそらく勝てないであろう自己アピールをうまくできるようになるようなゼミのプログラムなんかあるとおもしろいと思う。 まあ、そんなこんなで、自己紹介が終わった後、英語のスピーチ発表があった。ここで、驚いたのが一年生、国際経済の女の子二人、かなり発音がきれいで、スピーチもほぼ完璧に暗唱できていた。いっしょに発表しなくてよかったと二年生は誰もが思ったと思う。また、彼女たちだけでなく、他の子も最後まで一所懸命がんばりみんな合格した。思わず、やばいやられるという危機感を感じてしまった。

夕食後、お風呂に入り、入浴後、望月ゼミナール名物、ビデオ鑑賞会が、開催された。今回は映画ではなく、ミュージカルであった。僕は、ミュージカルというのを見たのはこれが、初めてであった。映画とは、違った迫力・表現技法がありとても不思議な感じてあった。みんなは、どうかわからないが、僕は、何を表現しようとしているかなということは、少しだけどつかめたような気がする。先生は、この劇をなぜ見せたかというと、おそらく皆にどういう生き方をしてほしい かということを感じてほしかったのであろう。

 

映画終了後、いつもどおり、劇の中の歌や、セリフのヒアリングがあった。これが、予想以上に難しく、なかなか聞き取れなかった。先生が、楽しそうに歌っていた。

そんなこんなで初日が終わり、みんなすぐに床についた?。(僕だけか?)

次の日、316日、朝食はいつもの通りの現象がおこった。後輩は、みんな、ご飯を食べにくるが、先輩のほうが、集まりが悪いというこの現象。これは、ずっと続いていきそうで恐い。次の合宿からは、これがなくなることを期待する。なぜなら、ご飯がもったいないからだ。食べない食べられない人は、きちんと断りをいれるようにしたほうがいいと思う。論文とかでいくら、食糧問題とか、援助問題とかいろいろうたっていたとしても、食べ物をむだにしていたら、説得力もうまれないし、何の解決にもならないと思う。

朝食後早速、進級論文発表会がおこなわれた。以下、順序がバラバラだが記載していこうと思う。Kamata。Dの論における日米関係についての論文であった。彼は、論文の最後で、アメリカの取引関係の信頼関係の薄さが、アメリカの国際競争力低下を招いたと結論づけた。これは、歴史的過程から、みれば確かに、正しい結論であったが、最近は、車もパソコンと同様に、情報化の加速化により規格化が進むという。これによって、爆発的に、車は、安くなるのであろう。日本のトヨタカンバン方式もこの情報化社会にとっては、なりたたくなってくるのであろう。Kamata.Dには、この部品の規格化についても論文に書き加え、新たな論理展開をしてほしいと思う。

 

Tanabe.Kの論文は、アウトソーシングという、今、日本でもよく使われる言葉であるが、なかなか定義が難しいというものに、いろいろな方向から定義づけをこころみた論文であった。例えば、よく言われる、アウトソーシングの意味は、業務プロセスの一部を外部機関に任せる委託や外注、すなわち「資源の外部化」を意味しているのですが、戦略的意味を持つ近年のアウトソーシングにも目をむけ考察をしようとしていた。アメリカのアウトソーシングの例を歴史から、論理展開を試み、日本のアウトソーシングと比較し定義づけを試みていた。国が直営事業でやっている業務を、民間委託をすると歴然とした、税金節約ができる、こういうアウトソーイングは、日本の現代の時代に非常にマッチしているものであるし絶対に必要であろう

 

Ichikawa.Aの論文「先進国の後進国の開発援助」は、この論文発表の中で最も、新入生の関心を得たものであった。全世界の公益が全人類の公益というのは個人的な話であるが、僕のビジネスでかがげているビジョンであるからとても気に入っている言葉である。自助努力を支援する援助、これは、最高の援助だと思う。残念ながら、現在、これがうまく機能しているのかというとなかなか難しいことだ。自助努力型援助を進めるには、あらゆる人々の理解と力が必要である、Ichikawa.Aのいう先進国援助の今後はおそらくここにかかっているのであろう。開発援助というのは、地球の永遠のテーマであると思う。こういうのにじかに触れる、例えば、井戸を協力して掘るだとかいう先進国側の教育も必要性がでてくるであろう。

 

Okuzawa.Hの論文は、日本版ビックバンで、日本がどう変わっていくかというのを現状分析に始まり、歴史から日本の金融制度をひも解き、日本の金融改革はどうあるべきかというのを、イギリス・アメリカなどの海外のビックバンと比較し、考察したものである。free/fare/globalの改革を実行にうつすのには日本の経済に下準備が必要になるのだという。そのためには、ディスクロージャーなどを積極的にすすめる必要があるのだろう。こういう改革をするには、多少の痛みなどは、生じるであろう。しかし、それを避けていたら、日本は絶対によくならないであろう。

 

Shouji.Tの論文はとても、驚かされた。データを効果的につかい、更にそれを、学習した回帰分析を用いて論文を作っていた。はっきりと僕には、理解できなかったが、そういう論文の書き方に挑戦するShouji.Tの論文はものすごいとおもった。労働生産性の問題というのは、産業構造とかでよくひきあいにだされる問題だ。産業構造の未来には、どういう未来が待っているのだろう僕たちが、未来について、考え行動するとき、きっと未来は、明るくなるであろう

 

Ogawa.Tの論文は、アジアは、テクノジャンプできるかという内容であった飛ぶ鳥を落とす勢いとまでいわれていたアジア経済が、昨年タイの通貨危機を境に、失速の坂を転げ落ちてしまった。このアジア通貨危機が、おこってしまったのは、いろいろと問題があるが、その根幹にあるのは、経済開発と独裁政治は、両立し相互に補完しあうというアジア的価値観が一番の問題であろう。いったい、アジア経済は、どこにいくのだろう?私たちは、そのために何をしなければならないだろう。日本の市場開放がもっとも必要であろう。しかし、日本は改革を小出しにして何もやろうとしない僕たちも、もっとアジア経済に関心をもっていかないと世界大恐慌を招いてしまうであろう。その通貨危機が世界経済に与えてしまう影響もいれていけば、おもしろい論文になるとおもった。

 

Uda.Yの文章は、製造業における日米の比較分析であった。これは、製造業での日本とアメリカの競争の歴史を述べたものであった。これは、ひとつ、ひとつの産業を中心に、製造業の歴史を述べていったものであった。今、国際競争力の世界は、規格化という流れをとっている。パソコンと同じように、部品の安いところからとにかく買ってきて、組み立てをすると流れになっている。また、アウトソーシングなどの概念が進み、営業部隊と企画部だけを持っている会社などもでてきている。パソコンソフト会社のアドビ社は、自社で開発部を持っていない会社である。これからさらにこういう流れが、進んでいくのだろう。

 

 

Oomae/Sの論文は、日本的経営から世界標準へ移行するグローバル経営戦略について述べた文章であった。現代経済のデコンストラクションという流れが進んでいる。まったく関係のない異業種の参入によって、自社の産業がシェアを突然奪われてしまうものである。これが、あらゆる分野でおこり日本のさまざまな企業もそういうところに対応していかないと、国際競争力をすぐに失ってしまうだろう。

 

みんなの論文を見ての感想は、はっきりいってみんなものすごく論文のレベルがあがっているのではないかということだ。みんな、それぞれ自分の好きなことを、好きなようにアレンジして一つの論文としてまとめている。また、回帰分析などを積極的につかう人が出てきたり、通産省に資料を探しにいった人などみんないろいろ、がんばっていてとてもおもしろいと思った。

皆さんの論文の更なるレベルアップに期待したいと思います。

 

その後、行われた集団討論会では、いろいろな意見が、とびだした。とくに最初の議題にあがった日本型経営については、すばらしい部分の意見が最初あまりでなかったが、先生の話を聞いて、日本型経営システムのすばらしいところも徐々にではあるが、はっきりと見えてきた。僕の持論から言うと、日本的経営システムは、金属疲労をおこしているみんなが組織にあまりにもたよりすぎだと思う。コストパフォーマンスが合わなくなってきっとタイタニック号のようにもろく沈んでいってしまうであろう。

 

その後、新入生などの役割が決まった。みんなで、早いうちから連携して先生がいなくてもりっぱにできる自分達のゼミ(自主ゼミ)の構築を急がなくては、いけないであろう。この後、飲み会が始まりみんなそれぞれいろんなはなしをしていた。大学生活の話・今後の人生について先生の恋のお話などいろいろな話を聞いた。もう最後には、仲良くワイワイなってとてもいい雰囲気になった。みんなで力を合わせてやっていけそうな雰囲気になった。みんな、それぞれがいろいろ考えている個性派集団で、とても頼りになる、いいゼミだなっーとこころのそこから思った。そんなこんなしているうちに、午前三時を向かい、消灯となった。

最終日、みんなこれからのゼミでの活動意識を高め、帰宅した。なんだか、とてもいいゼミ合宿になったと思った。みんな、今年は後半、先生がいないけど力をあわしてがんばりましょう

書記 Watanabe.K