日本経済の歴史的転換を読んで
E08−0224 小川 剛史
この本は、経済に関する本の中ではじめて読みきった本だと思う。そして、日本経済は絶対崩壊しない、というのがこの本を読むまでの僕の日本経済に対する見かたでした。だが、本を読み終えた今、今の経済状態はそれほどいい状態ではない、いや、かなり大変な状態にある、ということを痛感した。しかし、この現実をしっかり理解し、考えている学生は実際のところ多いとは言えないと思う。恥ずかしいことだが、僕もこの本を読むまではその学生と同じような状態だった。だが今は違う。それなりの考えを持てるようになった。そして、このゼミで3年間先生の指導を受け、胸を張って経済学部を卒業した、といえるようになりたいと思っています。話がそれてしまったが、本題に入ります。
僕がこの本を読んで1番関心を持ったところは2章で扱われている経済の潜在成長率である。経済が成長するためには労働や資本などの生産要素投入の拡大と、イノベ−ションの2つが大切である、と書いてあった。確かに今の日本はバブル崩壊やその他の要因により、労働力が低下し、資本ストックの蓄積が低下し、革新的イノベ−ションも向上していない。だが、僕はもう1つ経済の安定には大切なものがあると思う。それは国民の活気又は目的意識だ。年功序列や学歴社会その他色々な日本独特なもののために日本国民全体の活気又は競争心が今、低下してると思う。先生にはまだ話してないと思うが、僕は今から14年前、2歳から7歳までの4年間、シンガポ−ルに住んでいた。そのころのシンガポ−ルは日本企業の海外進出によって、急激に経済が成長しはじめた時期だったと思う。僕はその頃まだ小さかたが、現地で働く日本人(僕の父)も現地の労働者たちも活気に満ちていたことをよく覚えている。この本にはシンガポ−ルこれまでの成長はすべてインプットの拡大によるもので、あり、イノベ−ションによる生産性の拡大の向上による部分はゼロであるから、シンガポ−ルの経済成長はまもなく止まり、アジアの奇跡は終わる、と書いてあったが、あの国民全体から感じる活気は見習う、と言うより、思い出さなければいけないと思う。そのためにはどうすればいいのか?僕はゼミの中でも何回か話に出てきたことだが、まず規制を緩和し、現在の平等主義社会にある程度競争を取り入れること、そしてやはり教育制度を改正すること、この2つが重要だと思う。教育制度を改正するには時間がかかる。過去を振り返って見ても、明治時代、教育例が実施されてからも何度も改正され、定着するのに時間がかかった。だから出来るだけ早く改正を行った方がいいとおもう。これから少子化が進につれ子どもの数が減ってくるのだから、その少ない子供たちにより良い教育をし、それぞれの個性を伸ばすようの教育をしていかなければ、労働力の面でも、革新的イノベ−ションにしても国際的競争力を持つことはできないだろう。また、今のような教育システムをこれからもつずけていくとすれば、最近話題になっている少年殺害のように子供たちの心に色々なひずみを生むことになると思う。将来の日本経済を安定させるには成果がめにみえて分からず、地味な作業にみえるが教育の改正がこれからの大きな課題になっていくと思う。
最後に、この本を読んで思ったことは、日本はこれからまた安定成長をつずけていくのか?それとも崩壊していくのか?ということである。ゼミでも同じ質問があったが、その時僕は日本は安定成長していく方に手を上げた。先生が授業中にいっていたが、経済は止まらない、常に動いている。その経済の動きに国民1人1人が注意を払い、今あげられている経済上の問題を一つ一つ解決していけば、必ず日本はもう1度安定成長できると思う。