歴史的転換を読み終えて
e08-0294B 奥澤 啓之
この本を読んで、私は本当に勉強になったと思う。今まで、新聞などで日本経済がさまざまな問題を抱えていることは知っていた。しかし、実際どのような問題があるのかはっきりとは分かっていなかった。しかし、この本を読んだことによって、新聞の経済欄を読み、理解できるようになったし、ちょっとした自分の意見も持てるようになったと思う。これから経済を勉強していく上で自分にきっかけを与えてくれた本になったと思った。
さて、本文の内容を通じて感じたことは、「変化」である。今、日本は歴史的な大転換期を迎えているようだ。経済だけでなく社会環境、生活環境、日本人の考え方までもが変化しようとしているのではないだろうかと感じられる。しかし、「変化」の仕方を間違ってはいけないと思う。今後の日本経済が安定成長を続けるための正しい「変化」をしなければならないと思った。
まず、一番「変化」していると感じている分野に
“労働者の流動性の問題”がある。現在、日本の労働者は流動的でない。どのようなことかというと、日本には終身雇用制や年功序列賃金制といった制度があり、いったん会社に入ったら定年までその会社で働かなければならないといった風潮があり、また賃金は、実力や業績で判断されず勤続年数で評価される。このシステムは、労働者の労働意欲をそぎ、問題になっている。しかし、アメリカなどは非常に流動的で、自分に会わない会社であればすぐ他に移れるような環境が整っている。また、賃金も自分自身を評価され決定するので、労働者のやる気を仰ぎ企業の業績拡大につながっている。そのため、日本もこういった社会環境を作ろうといった動きが見えてきている。このことには、私も大いに賛成である。しかし、このことにも問題があるのではないかと疑問を感じた。労働者が流動的であるということは、企業が何のためらいもなくリストラをやりやすい社会になるのではないだろうか。現にアメリカでは不況になると、リストラによってどんどん人が解雇されていて、失業率の高さが問題になっている。今後、一斉にシステムを変えると日本にも大量の失業者の発生が懸念される。だから、労働者は、この変化に早く気づき、自分自身に他人とは違う特長を身につけなければ今後の社会で生き残れなくなってくるだろう。しかし、利点も多くある。現在のように出身大学で出世が決定されるようなシステムから自分自身が評価されるシステムになるので、たしかに、厳しい社会環境になるが非常にやりがいのある社会になっていくのではないだろうか。次に「変化」を感じたのは、
“日本人・日本企業の国際化”についてである。今日、経済は国際化してきている。製造業は、既に海外に進出し、そこで生産を行っている。また、金融業も国際化にともない大改革が行われようとしている。こうした一連のことを見ても、我々国民も国際化していかなければならないのではないだろうかと思った。日本人は保守的で、ものごとを閉鎖的に考える人が多いように思われる。やはり、これからは広い視野でものを見て、革新的なものの考え方ができる人が社会に必要になってくるだろうと思う。そのためにも、自分自身を磨くことが必要だろう。現在、国際化に伴い学校教育が変化しようとしている。今までの受験制度を見直し、個人の特徴を生かせるようになってきているようだ。また、国際化で一番必要になってくるだろうと思われる英語については、ヒアリングや会話が重視されるなど、確実に変化しているようである。しかし、まだ導入されはじめたばかりである。今後は、本格的な導入と徹底した指導と生徒の意識改革が期待される。
今まで、「変化」について述べてきたが「変化」することは大変勇気のいることだと思う。しかし、思い切った「変化」をしなければ新しいことはできないし、先も見えてこないと思う。でも、間違った「変化」をしてはならない。そこで正しい「変化」を見極める力が必要になってくるだろう。今後、自分が飛躍するチャンスが増えてくると思われる。そこで自分の可能性を信じ努力すれば自分自身に力もつき、自信が出てきて、きっと良い結果につながるだろう。そう信じたい。