5月20日と27日の内容のまとめ
45゜線分析をする上での前提
財の需給均衡を考えるにあたって、需要側と供給側をそれぞれ見ていく。財を需要する場合、財は消費されるか投資されるかのいずれかである。また、財の供給は付加価値の総計、すなわちGNPに等しい。したがって、財市場の需給均衡式は、
Ys=Y
Yd=C+I…@
Ys=Yd
(
Ys:財の供給 Yd:財の需要 C:消費 I:投資)ここでは、@式の右辺にある消費がどのように決まるのかを考察する。
消費量は所得に応じて変化する。つまり、所得が大きければ消費量は大きくなる。この関係を数式に表わしたものが消費関数である。
C=c。+cY
(0<c<1)…Ac。は基礎消費と呼ばれる、消費行動によって決まる定数である。これは、生きていく上で最低限必要な消費量である。主に食料費などがその例であろう。仮に所得が全くない(Y=0)としても、消費が行われることからもそれがわかる。
cは限界消費性向と呼ばれ、所得が増えた場合に、そのうちのどれだけが消費に回るかを示している。
また、所得のうちどれだけの割合が消費されるのかを表わすのが、平均消費性向である。Aより、
C/Y=c。/Y+c
となる。この式からわかるように、所得が増加すると、平均消費性向は減少する。
所得のうち消費された残りが貯蓄になるから、Y−C=Sということができる。消費行動が分かれば、貯蓄量は決定される。
Aより、
S=Y−C
=Y−(c。+cY)
=‐c。+(1−c)Y
=‐c。+sY (∵s=1−c)
sは、限界貯蓄性向と呼ばれ、所得が増えた場合にどれだけの割合が貯蓄に回るかを示している。平均消費性向は、消費の場合と同様に定義され、所得のうちどれだけの割合が貯蓄に回るかを示している。これを式に表わすと、
S/Y=‐c。/Y+s
となる。この式から、所得が増加すると、平均消費性向は増加することがわかる。また、
限界消費性向+限界貯蓄性向=1
である。