難民というものについて

今、ユーゴソロビア連邦・コソボ自治州では、北大西洋条約機構(NATO)による空爆が行われている。その結果戦火を逃れようとする人々が難民となって周辺の国々に避難している。その数は50万人を超え、コソボ難民は苦しいキャンプ生活を強いられている。又、NATO軍の誤爆などによる犠牲者も日を増すごとに増えている。

そもそも難民とは、「政治的な迫害、あるいは信条による迫害、それから紛争のために自国を逃れて国境を越えて他国に庇護を求める人々である。」と定義されている。しかし、それに加えて、難民と同じような理由で国内で難民化する人もいる。20世紀は難民の世紀といわれるように、二回の世界大戦そして冷戦による争い、そして冷戦が終結した後でもさまざまな民族紛争などが起きており、大量の難民を生む結果となっている。1991年以降でもイラクで170万人、旧ユーゴスラビアでは400万人、さらにはアフリカの大湖地域で約200万人など大変な数に昇っている。

そのため、難民問題は解決することが非常に難しくなりつつある。まず1度内乱が起きた地域の安全を確認しなければならない。そのためには、法や秩序を安定させるものが必要であるが、そういった安全が確保されていないところも多い。例えばアフリカの大湖地域では、94年から96年にかけておきたルワンダ難民の事件などで難民が大量に発生したがここには婦女子とともに戦争に負けたルワンダのフツ族の軍人や民兵あるいは大量虐殺犯などがいた。こういったところでは中立性、市民性が保てず苦労しているという。しかもこういった地域に入ってくる平和維持軍や多国籍軍もない。そのため非常に不安定な状態が続いている。その他にも、人と人との融和ができないことや、人々の行動の自由が制限されるなど問題は山済み状態となっている。

家を失ったり、肉親を殺された人々など難民となった人々は私たちが想像もつかないような苦しみを味わっています。そして難民生活事態もコソボ難民が非難キャンプで衛生的にも非常につらいところで過ごしている様に大変苦しいものとなっている。しかし私たち日本人は世界でこういった苦しんだ人々がたくさんいることも、それを何とかしようとしている人道援助機関についてもよく知らない人が多いと思う。こういったことに少しでも興味を持つことが大事なのではないのかと感じました。

参考文献

読売新聞 1999年4月17日朝刊

UNCHR http://www.unhcr.or.jp