●木幡英晃 ●木幡英晃 85年のプラザ合意の後、円の価値は急激に高まったが、日本は、それを うまく活用出来なかったため、本当の意味で名実共に豊かになれなかった。それは、銀行の護送船団方式に代表されるように、日本の市場が競争的、開放的ではない古い体質のせいだと思う。 ●金子 渉 この章全体を通して、主に感じた事は、日本はいつでも対応が遅いという 事である。今でも、いわゆる「お役所仕事」といわれる中央官庁の対応の遅さと 融通の利かなさは、世界でも類を見ないものであり、日本の決定的な弱点 であると日本国内でもいわれる始末である。過去の成功に奢った日本は、長い間いわば時代遅れの経済政策、貿易政策をとってきたわけだが、それがここ に来て大きく揺らいでいるのは、日本人ならばたいていの人間が自覚している事であろう。世界経済は常に進化しているのにもかかわらず、過去の方策が いつまでも通じる事はない。少子化と高齢化に伴う保険料の負担増加の問題も、もう社会的費用の面で賄える金額ではなくなってきたのだから、一部でも民間企業への委託(当然、信頼性と確実性を保つ為にそれなりの審査は必要ではあるが)を一刻も早くはじめ、競争による市場原理を基にしたサービスの向上を図るべきであろう。日本の高度成長期が終わりを迎えた時点では、もう既に「キャッチ・アップ」に時代は終わり、諸外国との経済的な競争力はかなりの水準に達している。もう戦後のような諸外国からの援助も無く、貿易の面でも規制が取り払われ、より厳しい局面に立たされている中で、さらに競争に打ち勝っていくには、少なくとも「追いつこう」という、ある意味で受け身の意識では、到底抗できないだろうと感じた。 ●津ケ原 正博 第一回プレゼミナールを終えて、日本経済の課題が、見えてきた。バブル 時の甘い考えかたのままでいる金融機関は、今では、莫大な、不良債権をかかえ、それに、つられるように、国も財政あかじを抱え、情報公開がされ ず、にいて国や銀行が、どれだけの借金をしているのか、不透明なままである。円高にたいしても、政府の対応が、軟弱だったり企業は、海外の安価な消費 財に対抗できる力がなく、輸入品と、国産の消費財の価格が、ひらき、そのことが、国内の産業の弱体化にもつながる。高齢化社会にかんしても、労働者人口の減少は、経済の発展を阻害し、福祉にかかる費用をどのように集めるのかも興味深いところである。どしらにしても、公的資金をどのように集めるかである。所得税をさげれば、そのぶん消費税などがあげられてしまうし、健康保険の一部自己負担などは、良い政策なのではないだろうか。国民と政府が手を取り合っていくことが、大切だろう。 ●堀容子 第2章のプレゼミを終えて、日本経済の様々な問題点をはっきりととらえ ることができたと思う。1985年のプラザ合意から10年余りたった今、とっくに世界の主要国の仲間入りをしたはずが、まだ自立できないでいるよう に感じる。経済改革をしなければいけない時期に、バブルの波に酔い、結局今のような金融不安や、不良債権問題を抱えるようになってしまった。このほ かにも、金融空洞化、財政赤字、高齢化、沖縄問題などの課題を持つ現在の日本経済を改革するには、マクロ的にみて、情報の公開、市場開放が必要なこ とがわかった。また、私は、今まで保護されてきた企業を、国際的に競争できる ように、今までそれによって守られてきた規制をなくすことが必要だと思う。世界にまで市場を広げ、国際ビジネスに変わろうとするのなら、世界にも日本の情報を明確に伝えることも必要だし、また、規制緩和を進め、企業の 競争によって経済を活性化させ、国際的なメカニズムによって、保護されてきた企業を自立した国際企業、国際ビジネスに成長させることも必要だと思 う。その時、「緩和」ではなく、規制の撤廃が必要になるのかもしれないと、私は思う。 ●河合信貴 私が一番強く感じたのは「全て」が後手後手に回ってしまっていることで す。現在日本は確かに大きな不況に苦しんでいます。そのために目先の利益、状況対処的な政策しかここ数年あまり行われてきませんでした。そしてその政 策もいまだにケインズに囚われています。それは日本の体制、理論の根本が戦後の「復興」体制と何ら変化していないということだと思いました。21世紀に向けてこれでは日本 の衰退が目に見えてしまうようです。しかし逆に考えればこれは日本を改造するいいチャンスでもあります。国民の意識も大きく変わり自分達を自己改革する必要がある事を認識しているからです。今ならばまだ十分に間に合うでしょう。そして一度不況を乗 |