第6章
空洞化か、産業構造の高度化か1 内外環境条件の変化
問題点=なぜ日本経済の長期的空洞化が進むのか?
現在は国内の非貿易財部門の効率化が遅れ、内外価格差拡大→企業の海外移転化
コンペティションによる海外の追い上げ・高齢化・少子化
しかし、国内での新たな投資や産業の創出、海外からの直接投資が行なわれるようにな
ればよい。
そのためには ・産業構造の高度化(=非貿易財の効率化)
・国内、及び対日投資環境の整備
・創造的技術革新の推進
・労働力の効率的配分、供給の促進、質向上の抜本的改革
FDI
(海外直接投資)は長期的増大だが、日本への投資は少ない→日本市場の魅力の乏しさ
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企業の海外直接投資の増大が国内の産業構造の空洞化へ
メガ・コンペティションによる圧力→賃金と生産性のバランスによって競争力が決まる
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しかし、日本の経済の構造転換、産業構造の高度化が必要
2
日本産業の強さと危うさ
日本型のヒューマンウエア技術
日本産業の強み=資本財、機械、部品類など
日本型ヒューマンウエアとは、現場の生産技術、つまり、ヒューマンウエアの革新
により培われてきたもの。品質向上による競争力の促進を生む。そして、それを
フルに利用しつつ、情報をネットワーク型に共有していく技術基盤の創造
産業基盤を蝕む内外価格差
現在日本は著しい内外価格差のもとで産業基盤の劣化を招いている
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税、流通構造、交通問題、エネルギー、農業、
労働者、消費者など社会構造、経済構造を反映
これらをより効率的なものに改革できなければ、グローバル競争の中で日本の空洞化はより進むであろう。
アジア諸国の追い上げ
NIES、ASEAN、中国の追い上げが急速化
結果的に、日本は劣位産業から侵食される傾向が見られる
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日本の産業構造の高度化が絶対必要
3 高齢化の長期的影響
少子化による生産性年齢人口の縮小→労働力人口の減少
長期的には、高齢者労働人口の増大、労働時間の短縮
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社会的費用負担の増大 → 「重い高齢化」
対策 ・労働力率の上昇の促進のための条件整備
高齢化による貯蓄率の低下→経済成長を長期的に制約する要因
ライフサイクル説、ダイナスティー説とも日本の総貯蓄は減少する事になる
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国内総貯蓄の長期的減少
結果 投資の抑制、それに伴う技術革新と生産性の向上の妨げになる可能性大
4 求められる改革
結果、構造改革と自己革新が進めば、日本経済は21世紀に新たな繁栄を実現できる。
しかし、出来なければますます空洞化が進み、活力の低下を招き日本は衰退する。
感想
・日本のコスト高は独自の商法慣行によるものが多く、又、規制も多い。それをなく
し、市場原理に任せる事が、まず改革の第一歩だと強く感じた。そして、高齢者、
婦人の労働力市場への導入も、21世紀の日本の大きな課題である事も理解した。
(河合)
・このままでは、日本の産業は空洞化してしまうので、規制緩和などをして内外の
投資家にとって魅力のある日本市場にしなければならないと思った。(木幡)