今週の顔


『DVDってなに?』って言われても…

E11-0615A 永松 和宏

  ・DVDを調べるにあたって・・・
 2000年3月4日にソニーからプレイステーション2(以降PS2)が発売され、予約用に開設されたプレイステーションドットコムは数分でサーバーがダウンしてしまうくらいのアクセスがあった。それだけPS2は日本や世界から注目されていた。
そのPS2にはDVDプレイヤーが標準搭載されていて、ここでDVDというものが初めて檜舞台に立ち、多くの人々にその存在を認知されたと言っても過言ではないだろう。 では、その『DVDってなに?』といま聞かれたら答えられるだろうか。ほとんどの人が答えられないのではないか。自分もその一人であり、そこでDVDについてこの場で調べてみた。



まず、あなたはDVDというのを「Digital Video Disk」だと思ってはいないだろうか。そこがまず間違いで、実は「Digital Versatile Disk」の略なのである。(注)DVD開発当初は「Digital Video Disk」だったのだが、非常に多機能なため「Digital Verstaile Disk」と名称変更された。機能については後述。
「Digital Video Disk」だと思ってしまうのは、DVDをVHSビデオのようにテレビ映像の録画・再生だけに用いられてると思っているからである。
それは違い、CDにも普段、音楽を聞く「Audio-CD」と、パソコンに使われている「CD-ROM」、さらに「CD-R」「CD-RW」のように、多くの機能を持つひとつの規格なのだ。

※注 Versetile[名]:万能 多目的 多用途...

その中でもDVDは多くの媒体にわかれています。(下表参照)

DVD-Video 再生専用、今1番普及している規格で映像と音を収録できる。
PS2に採用。
DVD-Audio 高品質オーディオ再生ディスク。
音楽を主とした規格で、既存の規格よりも良い音が期待できる。
DVD-ROM CD-ROMに変わる物として期待されている。最近のパソコンに標準装備されているものも多い。
何度でも読み込めるが書きこみは不可。
DVD-R 現在のCD-Rと似ていて、データの書き込みは出来るものの、追記のみ。
前のデータを消すことはできない。読み込みは何度でも可。
DVD-RAM
/−RW/+RW
CD-R/-RW・MO・FDに変わる大量記録媒体として期待されている。
 ※容量 FD・・・1.4MB CD・・・650MB DVD・・・13.2GB(両面2層)

  ・規格争い
このようにDVDは素晴らしい機能を持っている。しかし、その中でも規格争いが起きている。
書き込みが可能な、「DVD-RAM」「DVD-RW」「DVD+RW」部門である。(下表参照)
DVD-RAM
(Panasonic HITACHI 東芝...)
DVD-RAMはAV・PCのどちらにも対応。-RWとの互換性はない。
書き込みは理論上は10万回可能。ほぼ半永久的ということになる。
 ・DVD-RAMレコーダー 6/30発売 250,000円(松下)12cmサイズで4時間録画可
 ・DVD-RAMレコーダー 8/25発売 250,000円(日立)
 ・DVD-RAMビデオカメラ 8/25発売 250,000円(日立)
   8cmサイズで高品質で1時間、標準で2時間録画可。
DVD-RW
(Pioneer SHARP SANYO...)
DVD-Rを発展させた物で、+RWと非常に名前が似ているが互換性はない。
RAMに比べると書き込みの制限がある。メーカー保証で1000〜2000回くらい。
昨年の12月にすでに発売されている。
DVD+RW
(sony Philips)
DVD-RW陣営と連合を作り、互換性を持たせ、-RW普及を中心としている。
事実上の撤退か?

「RAM」は元々はパソコンでのデータ記録用に開発された。パソコン上での画像・映像の再生・編集が可能で、松下は今後注目されるであろうデジタルテレビ放送の録画・編集を睨んでいる。
一方の、「RW」は映像を楽しむ、オーディオ・ビジュアル用でありパソコンではいまは使えない。「RW」陣営としては、DVDはVHSビデオのような映像の録画・再生だけでも十分な市場性があると判断したのだ
「RW」はディスクの構造や読み取り方式が現状のものと似ていて、従来型の再生専用機で記録したものを「RW」へ改良するのもさほど手間がかからず、コスト面でも有利だと言う。

録画方式は一旦、「DVD-RAM」で統一された。
しかし、パイオニアが「RW」で昨年の12月に発売を踏みきり、その後ソニーとシャープが賛同して、規格対立してしまった。

DVDはプレイステーション2で注目されることになったが、まだ書き込み可能な専用機の価格は非常に高い。「DVD-RAM」、「DVD-RW」のどちらにしても、低価格にすることが普及のカギになると言えるだろう。