今週の顔 |
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私の趣味は軍事研究です。その中で最近非常に熱中していることを紹介したいと思います。それは、ネット上でサバイバルゲームをすることです。アメリカ製のパソコンソフトを使って行います。アメリカ海兵隊のトレーニングプログラムに実験的に採用されたほどのものです。よくやるのは、16人以内のチーム戦です。そのほかには、自分以外はすべて敵のデスマッチなどがあります。実際に普通のサバイバルゲームをしようとすると、人集めや装備品の調達、日時の決定、場所の決定など非常に手間がかかります。それをショップに任せる場合も多いですが、それでも日程を合わせたり場所移動などやはり手間がかかります。このことを考えると、ネット上で行うのは非常に手軽です。メンバーは世界中から集まってきます。この場合、時差がかえって有利に働き、24時間プレイヤーがいなくなることはまずありません。プレイヤーは、今まで私が見てきた中では、日本人、イギリス人、ドイツ人、イスラエル人、中国人、韓国人、オーストラリア人、ニュージーランド人です。 戦闘中にはチャットもできます。アルファベットしか使えないため、ほぼ英語で統一されています。でもドイツ人はドイツ語を使っていることが多く、内容がまったくわかりません。一年間ドイツ語を勉強したけれど、まだまだ使えるものではないということを改めて実感しました。しかしドイツ語であるということが見てすぐに分かっただけでもやっていたかいがあるのではないかと思います。チャットの内容は、多くの場合なんでもない単純な会話です。ゲームに参加する時には"Hello!!!"、敵の居場所を聞く時には"Where is enemy?"、出身地を聞く時には"Where are you from?"など、中学生レベルです。また、"Where is enemy?"は"Where are any enemies?"などと聞くのが正しいのだろうけれど、そんなことは問題にはなりません。この点で、文法でがちがちに固められ、会話をあまり重視しない日本の英語教育との乖離を感じます。そして、冠詞は"a"か"the"かを考えこんだり、この場合は単数形だ複数形だなどと考えるなどの束縛から開放された時、私はなんだか体が軽くなったような気がして、英語の楽しさを満喫していました。これほど英語を長年勉強してきて良かったと思ったことはなかったです。 この楽しさは、自分の会話に対する反応がダイレクトで返ってくることにあると思います。"Hello!!!"に対し、"Hi"と応えが返ってくる、このなんでもない会話が楽しいのです。知らない人とメールやチャットをするということには以前から抵抗があったのですが、英語という障壁がかえってその抵抗を中和してくれたような気がします。また、英語によってこのように全世界の様々な国の人と実際に会話してみると、ボーダレスの時代になりつつあるということをしみじみ感じました。今まで、インターネットで海外のサイトに行ったことが何度かありますが、このようなことはなかなか実感できませんでした。 チャットをゲーム中に行うということにも、楽しめる大きな理由があると思います。普通のメールやチャットでは話題探しに苦労することも多いのではないかと思うけれど、これはチームで戦闘という共同作業を行っている時の会話なので、無理に会話探しをする必要もなく、最低限必要な時に必要な会話をするだけでいいのです。だから黙っていてもさほど問題はありません。 このゲームの良さは、チームを組むことで味方意識が芽生え、自然と仲間になれることにあります。戦闘で優秀な戦果を上げれば仲間から見直され、その上で自分が敵から一方的に攻撃を受けて苦戦している時には、仲間が協力して助けようとしてくれます。これらの反応がチャットを通してはっきり伝わってくるところがおもしろいです。 |