今週の顔


自分史〜19年を振り返って〜


経済学部国際経済学科2年 伊藤 瑠美

はじめに・・・
 「自分史」などと言って偉そうな事を題名にしてしまいましたが、私はそこまで自分自身をわかってはいませんし、みなさんに自分を堂々と語れるようなすごい生き方をしてきたわけでもありません。ただ一つ言えることは、今まで生きてきた人生(といってもたった19年ですが・・)は私の中では、決して後悔という言葉は当てはまらないということです。19年間私は私なりに精一杯生きてきたつもりです。そんな19年が今の私を形成している、私の存在自体が19年そのものだということを改めて感じ、今年20歳になることをきっかけに19年を、私自身を振り返ってみようと思いこのテーマをあげました。

 私を客観的に見て、一言で自分を表現して見なさいと言われたなら(これはゼミの面接で某先輩に聞かれたことでもありますが・・)私は「笑顔・明るさ」と答えると思います。なぜかと言われるといつの間にか自分はこういう人間になっていたとしか言いようがありません。ただその裏づけとしていえることがあるとしたなら、引越しの多さだと思います。
 私の父は仕事上、非常に転勤が多く、私が生まれる前からすでに転勤を繰り返していたとのことです。私が生まれて物心ついた頃にはすでに4回は転勤をしていました。小学校は3回変わり、その中の一つの学校は1学期間しかいませんでした。私の記憶の中には幼少の頃の引越しの経験はそう鮮明には残っていませんが、母の話から私は小さい頃からどこにでもすぐ行ってしまい、知らない人にもすぐに声をかけて仲良くなってしまい両親を困らせていたようです。
ただそんな性格の私は引越しの多い我が家にうってつけだったようです。引越し、転校というと、知らない土地へ行き知らない人々と一緒に生活しはじめるということであり、そのなじみのない環境に溶け込めるかということが最大の難関であり、ポイントなのです。小学校に入り友達がたくさんできたにも関わらず、転校しなくてはいけないというのは辛く、寂しいことでした。また私なりに新しい学校への不安を抱えていました。転校生と言うと『いじめ』の対象になるか、みんなに歓迎されるかのどちらかです。幸運なことに私は今までいじめにあったことはありませんでしたが、同じ時期に転校してきていじめられていた子もいたのは事実です。私は周りの人々にも恵まれていたのかもしれません。
 一時期転校することに抵抗を覚えた時期もありました。「なぜ私だけがこんな思いをしなくてはいけないのだろう・・」仲良くなった友達とも別れ、新しい環境への不安を抱き、緊張した日々を送ることに疲れてしまったのかもしれません。それは小学校4年で転校が決まったときでした。5回目の引越し。転校を嫌がっていた私に一人の友人が言ってくれました。「どうして転校が嫌なの?瑠美みたいにいっぱい引越しをしていたらいろんな所にいけるし、たくさん友達ができるじゃない。転校しちゃったからってそれで最後の別れじゃないんだし。私はむしろうらやましいよ。」この言葉で私は目が覚めた気がしました。私は消極的にしか物事を考えていなかったために悩んでいたんだと・・。たしかに前向きに考えれば転校というのはみんながみんなできる体験ではないし、自分の考え方次第ではすごくステキなことなんだということに私は気付くことができました。
 それから私は3回転校をしましたが、くよくよ悩むことはなく前向きに過ごし、その土地ごとに新たな友人、新たな自分を見つけることができました。転校するたびに「転校って大変だよね?寂しくないの?」と言われますが、私の答えはいつも「そんなことないよ、すごく楽しい!!」となりました。

 転校ということが私に教えてくれたのは、前向きな考え方、いつも笑顔で明るくといった今の私を表現するものでした。この貴重な体験をこれからも自分の生き方として大切にしていきたいです。
 私自身を語る上では他にも様々な要因がありますが、今回は私の中でも最も大切な部分を紹介してみました。内容的にも文章的にも至らない点が多々あったと思いますが最後まで読んでいただきありがとうございました。