今週の顔


増加する大学生の不登校


w12−0057B  渋谷 優子

 "え?大学生の不登校??"先日受けた心理学の授業でこのテーマを耳にした時はとても驚きました。−不登校−とは、小・中学生を中心とした問題だと思っていたからです。

 何でも各大学で増えているらしいのですが、単に授業に出ないでアルバイトをしがちになる、というわけではなく、講義を受けたいと思っているにも関らず腹痛や頭痛などの症状が表われる、というのです。これは小・中学生にみられる症状と同じであり、更にこういった大学生が後を絶たないのが現状のようです。実際にはおよそ3万人から4万人とも言われていますが、これは小学生の不登校の数より多いものなのです。このような学生はまた、高校生の頃は休むことなく優秀な生徒で、大学に入った途端に症状があらわれるといいます。

 では、何が原因でそうなってしまうのでしょう。その要因のほとんどは、「対人関係がうまくいかない」といったケースや、「友達の作り方がわからない」などのコミュニケーションに関するものや、「自分は一体何がしたいのか」といった自我の確立に関する要因が多いそうです。大学に入ることを目標として勉学に力を注いできたため、「自分」に対してあまり注がれなかったものが、いざその目標が達成され、先の目印が無いまま大学生活がスタートし時間にゆとりが出始めると「自分は・・・」と考えるのです。

   さて問題はなぜ大学生にもなって対人恐怖症が起きのるか、です。10数年生きて来てそれなりに人と関わりあってきた大学生。その大学生が小学生と同じことで苦しんでいます。加えてその数が小学生より多く増加の道をたどっているのです。

   現在12万人を超えるといわれる不登校生。平成になってからの爆発的な増加はまさに社会現象といえるでしょう。不登校に関するサイトも増えつづけ、相談所を設けることで対応していますが、根本にメスは入っていません。通信制の学校の増設や、欠席日数を調査書に記載しない、などは一体有効な手段なのでしょうか。