特殊講義
(通年,4単位)
テーマ:19世妃ドイツ思想と社会運動
村上 俊介
講義概要
歴史家のいう「ドイツの特殊な道」とは,第二次大戦後のドイツ分断以降の東西ドイツ の特殊性を表すこともあるが,むしろ19世紀から100年間のドイツの近代化の歩みを英仏 と比較してその「ゆがみ」を分析するための視座である。そこにはナチズムヘとドイツ史 が収放していかざるをえなかったことへのドイツ人自身の悔恨が問題意識として通底して いる。
本講義では,この「特殊な遣」史観への批判と反批判を最初に紹介しながら,ドイツに おける「近代化」がいかなる意味で「特殊な」政行牲を持っていたのか,その最初の分岐 点とも言える1848/49年革命を中心に据えて,その動きとそれに対応・推進する諸思想を 追う。そしてその場合,この革命を下から突き動かした多様な民衆組織としての「協会 (アソシエーション)」に注目し,その生成と展開,あるいは変質過程をたどっていくこ とでドイツ近代史の特徴を考慮したい。
講義計画
1
2
3−7
8−11
12−15
16−20
21−22
「ドイツの特殊な道」論争
ドイツ自由主義の変遷
近代ドイツの歴史(19−20世紀)
三月前期(1830,40年代)ドイツの社会運動
三月革命(1848/49年革命)の経過と協会運動
19世紀後半のドイツにおける協会・社会運動
まとめ
成績評価の方法
夏休みのレポートと学年末試験によって採点する。
教科書
当面,講義の前にプリントを配布し,それを軸に講義を行なうが,途中でテキストの指 示を行なうこともありうる。
参考書
成瀬治/山田欣吾/木村靖こ編「世界歴史大系・ドイツ史2」(山川出版社,1996年) 杯健太郎著「ドイツ革命史1848/49年」(山川出版社,1990年)