アジア経済論(平成6・7年度入学者)(通年,4単位)

大橋英夫


講義概要
前期には,@持続的な高度成長,A成長と平等を同時に実現した戦後の東アジアのユニ ークな経済発展を,主にNIESの高度成長過程を題材にとりあげて解説してみたい。またポスト・高度成長期の東アジアの最近の動向についても言及してみたい。
 後期には、21世妃の「経済大国」である中国経済に焦点を絞り,@計画経済から市場経済への移行期にある移行経済としての中国経済、A未発達の市場経済のもとに市場経済化 に邁進する中国経済の2つの局面から,中国経済の特徴を解説してみたい。



講義計画
前期            後期
(1)東アジアの経済発展 (1)計画経済期の中国経済
 @ 経済発展の社会的背景@ 経済成長の初期条件
 A 経済パフォーマンスA 経済管理体制の特徴
 B 経済成長の源泉B 農業集団化の展開
 C 経済成長と公共政策(2)改革・開放期の中国経済
 D 経済成長と開発主義@ 経済発展戦略の転換
(2)トス・スタディ:NIESの経済発展
A 経済改革の軌跡
(3)最近の動向B 対外開放のインパクト
 @ 東アジアの通貨危機C 市場経済化の展開
 A 東アジアの地域経済圏D 地域開発政策の推移と地域間格差
 B アジア太平洋協力E 中央と地方の経済関係
F 日本との経済関係
    なお授業の進渉状況により講義計画に若干の変更がある。  



成績評価の方法
次の2つを成績評価の条件とする。
 @前期の授業内容をもとに夏休み中にレポートを作成すること。
 A学年末試験期間に実施する試験を受けること。



教科書
特定の教科書は用いない。関連資料をプリントで配布する。



参考書
東アジアの経済発展については,世界銀行『東アジアの奇跡』東洋経済新報社,原洋之 介『アジア経済論の構図』リプロポート,服部民夫・佐藤幸人編『韓国・台湾の発展メカ ニズム』アジア経済研究所などを参照。各国・地域の経済事情については,経済企画庁調 査局『アジア経済』大蔵省印刷局,波辺利夫編『アジア経済読本』東洋経済新報社などを 参照のこと。中国経済については,林穀夫他『中国の経済発展』日本評論社,加藤弘之 『中国の経済発展と市場化』名古屋大学出版会,矢吹晋『図説中国の経済』蒼蒼社,三菱 総合研究所『中国情報ハンドブック』蒼蒼社などを参照。



受講前提条件・備考
@国際経済論,発展途上団経済論などの国際関係関連科目の受講が望ましい。
A授業内容の理解をもとに成績の評価をするので,就職活動などで授業に出席でさない学 生は,この点をよく考慮したうえで履修すること。
B国際経済学科「アジアの経済T・U」との合併授業