アメリカ経済論(平成7年度以前入学者)

鈴木 直次


講義概要
現在、日本やヨーロッパの国々がなかなか経済不振から脱せない中で、アメリカの経済のみが輝いているように見える。確かにアメリカの経済は長い好況の時代を満喫している。企業は大胆なリストラを繰り返し、業績を改善させているし、雇用や賃金の状態もようやく改善されつつあるようだ。技術革新の先頭にも立ち、「21世紀もアメリカの時代」という言葉さえささやかれるようになった。今から10年ほど前に、アメリカの没落が方々で論じられたのに比べて、大きな様変わりである。
 この講義の前半では、最近のアメリカ経済の「光と陰」をマクロ、ミクロの両面から考える。後半では、日米関係を中心に、貿易や投資摩擦とその背景にある両国間の経済的な相依存関係の深まりについて論じる事にしたい。



講義計画
前期
1.はじめに:アメリカ経済の特徴
2.アメリカ経済の歩み
3.アメリカの産業構造
4.企業経営と労使関係
5.アメリカ経済の光と陰
後期
1.日米経済関係の歴史
2.日米の貿易関係
3.日米間での国際投資
4.アメリカの通商政策と貿易摩擦
5.世界の中の日米経済関係



成績評価の方法
講義終了後の試験で評価する。夏休み中にレポートを課す計画だが、提出は任意とする予定。



教科書
なし。必要に応じて、資料を配布する。



参考書
春田 素夫編著「現代アメリカ経済論」(ミネルヴァ書房、1994年)
宮本 邦男「現代アメリカ経済入門」(日本経済新聞社、1997年)
鈴木 直次「アメリカ産業社会の盛衰」(岩波新書、1995年)
原田 泰「日米関係の経済史」(ちくま新書、1995年)
佐々木 隆雄「アメリカの通商政策」(岩波新書、1997年)



備考
受講前提条件は特にない。関連科目としては、国際経済論、各国経済論など。
以上の 講義計画は一応の目安であり、変更の可能性もある