現代経済論(通年、4単位)
吉 家 清 次
講義概要
本「現代経済論」は,1年次生諸君がこれから総合的で多面的に「経済学」を学んでい
くに際して常に考察の対象となるであろう経済社会についての基本的な知識と情報を提供
することを目的にしている。さらには本講義は,理論分析的な「原論」などとは対照的
に,実証分析的であるが,単なる経済事実の羅列ではなく一定の体系牲をそなえることが
必要であろう。
そもそも現代経済論でいう「現代」をどう規定するかも問題であるが,わたしは,本年
度の講義を,Nationalism(国民国家化),Globalism(地球世界化),Regionalis(地域
統合化)という現代世界における経済活動の3大潮流のなかで看取される「20世紀的なものから21
世紀的なものへの転成」という基本視点から組み立て,おおよそ下記のような講義の年間
計画を立ててみた。以下の計画は,あくまでも現時点での「予定」であり,講義の進行の
なかで若干の変更もあり得ることを承知されたい。
講義計画
前期 | 後期
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l)現代「地球経済」のプロフィール | 1)「人はなぜ『経済』するのか」
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2)大西洋経済から太平洋経済へ | 2)「貧困の経済学−経済合理性の世界−」
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3)新東西の時代一対立から共生ヘー | 3)「効率と公正のジレンマ−21世紀への宿題−
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4)「アメリカニュー・エコノミー」論の行方 | 4)「政府の経済学−20世紀の白昼夢?−」
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5)ヨーロッパ合衆国への期待と現実 | 5)「電子経済の『見えざる手』の世界」
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6)「アジアの奇跡」は終わったのか | 6)「文明の衝突」or「文明の融合」
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7)社会主義的市場経済の建前と本音 | 7)「西からきた西洋と東からきた西洋」
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8)「世界のなかの日本」の経済学 | 8)「高度産業経済主義への期待と懸念」
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9)「地球経済」の問題群 | 9)「生態学的経済への可能性」
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成績評価の方法
原則として,年度末での記述試験によっておこなうが,講義途中でミニ・テストやレトトの提出
を求め,最終評価の参考にすることも考えている。
教科書
講義のなかで必要に応じて指示する。いずれ講義を基にした著作を用意する予定。
受講前提条件・備考
1年次配当科目なので特にないが,常に知的好奇心をもって生活し,受講してほしい。