現代資本主義論(通年、4単位)

前期 石塚良次
後期 玉垣良典


講義概要
第二次大戦後の資本主義の総体的な発展過程を対象とし,先進資本主義国経済の現段階の位相と抱えている中心的な問題を明かにすることを主眼とする。前期ではマルクスの 『資本論』,ヒルファーディングの『金融資本論』,レーニンの『帝国主義論』の意義と同時にその限界を踏まえて,レギュラシオン理論の現代資本主義論を中心に,南北間 題,環境問題をも射程にいれて議論する。
 後期では,戦後過程を大きく時期区分して,1950年代,60年代の高度成長の「黄金時代」と1970年代以降現在に至る「蓄積体制の危機」への転化を大きな歴史的パ−スペクテ ィブの下に位置づけることが主たる狙いである。


講義計画
前期
テーマ 20世妃の資本主義をどうとらえるか

1.『資本論』と19世紀の資本主義
   −20世紀資本主義との種差

2.『金融資本論』と『帝国主義論』
   −歴史的意義とその限界

3.戦時体制と国家独占資本主義論
   −資本主義の転換点

4.レギュラシオン理論
   −フオーディズムの成立と発展

5.消責資本主義の臨界点
   −南北間題,環境問題,正統性の危機

後期
テーマ 現代資本主義の成長と危機

1.戦後世界体制の構築
   −ブレトン・ウッズ機構の成立過程を中心として

2.高度経済成長の展開と「ニュー・エコノミクス」の制覇

3.ドル危機の展開とIMF体制の動揺

4.IMF体制の崩壊とインフレーション危機の展開
  −マネタリズム反革命と新自由主義の台頭

5.現代資本主義の蓄積体制とその危機


成績評価の方法
学年末レポ−ト提出により成積評価をおこなう。


教科書
 教科書は使用しない。適宜教材プリントを配付する予定。


参考書
講義の際随時紹介する。


受講前提条件
特になし