経済原論IA (通年、4単位)

酒井 進


講義概要
この講義では,『資本論』の著者マルクスがどのような資本主義像を措いていたかを. 商品論・剰余価値論・蓄積論等の議論−『資本論』第1巻の議論−にそくして検討し ます。と同時に,それらの議論のうちにマルクスの歴史認識がどう語られているかを考察 します。その場合,『資本論』第2巻・3巻の議論についても必要な範囲で論及します。 なお,マルクスとの比較の観点から,スミスが『国富論』で描いた資本主義像にも適宜照明をあててみます。


講義計画
前期

1.経済学と歴史認識
    − スミスとマルクス −
2.マルクス小伝
3.資本制経済の基礎理論
 @ 『資本論』の構造と方法
 A 商品の二要因
 B 貨幣の本質と諸機能

後期

C 貨幣の資本への転化
D 資本の生産過程−その1
E 資本の生産過程−その2
F 資本の蓄積
G 社会的総資本の再生産と流通
H 平均利潤と生産価格


成績評価の方法
学年末試験の成績を重視しますが,中間テストの成績および出席状況をも考慮しま す。


教科書
特に指定しません。(ノートがそのまま教科書となるようなノート中心主義を採用しま す。)


参考書
内田義彦『資本論の世界』(岩波新書)。  その他の参考書については,講義の中で指示します。


受講前提条件
ノート中心主義を採りますから,欠席しないように!