経済学史(通年、4単位)

酒井 進


講義概要
 経済学は、ヨーロッパ諸国における資本主義の形成と発展の過程で生じた、さまざまな 問題に答えようとする努力のなかで生まれ、育ってきました。しかも、経済学はそうした 努力をつうじて、資本主義そのものの理論的、体制的認識を深めてきました。ですから、 経済学の歴史を学ぶためには、一方で、それぞれの時代と国とに固有な諸問題に経済学が どのような処方箋を書いたかを検討することが不可欠です。と同時に、経済学が時代の問 題に答えるために鍛えた個々の理論装置が、資本主義の体制的認識にとってどこまで有効 であったかを検討することも必要となります。この講義では,こうしたこつの問題観点か ら、経済学の歴史を重商主義→重農主義(ケネー)→古典学派(スミス、リカードゥ、ミ ル)→マルクスの順であとづけてみます。その場合、とくに古典学派に力点をおくことに します。


講義計画
前期
1.重商主義
   中原始的蓄積の経済学−
2.重農主義
   −ケネー『経済表』とフランス革命
3.古典学派の成立
   −スミス『国富論』−
後期
3.古典学派の成立(つづき)
   −スミス『国富論』−
4.古典学派の完成
   −リカードゥ F経済学および課税の原理』−
5.経済学批判
   一マルクス『資本論』−


成績評価の方法
 中間テスト、学年末試験、出席状況をそれぞれ80%、50%、20%のウェイトで考慮します。


教科書
内田義彦 『経済学史講義』(未来杜)


参考書
 講義のなかで,必要におうじて,そのつど紹介します。


備考
経済学科:この講義の受講者はできれば経済原論IAを履修済みであることが望ましい。