経済変動論
(通年、4単位)
平川 東亜
講義概要
近代の工業化された国々の経験によれば、経済活動は一様な成長を示すのでなく、その上昇期と沈滞期が一定の周期をもって、交互に繰り返される事が明らかになった。このように循環的変動が景気循環であり「経済変動」という言葉は、しばしば、この景気循環と同じ意味で使われてきた。しかし今日では、この言葉はもっと広い意味で、すなわち経済発展、経済成長、景気循環の三者を含むものとして用いられる。経済変動論は、経済学そのものと同じぐらい古い歴史を持つに関わらず、未完成な学問である。前期は日本経済の成長と景気循環を対象にした実証分析をテキストとして用いる。後期は経済成長と景気循環の代表的な理論を紹介する。
講義計画
前期
1.「複合環境」と主環境
2.主環境を作り出すもの
3.主環境はしょう環境を支配する
4.主環境で見た戦後の日本経済史
5.貿易の自由化と主環境
6.資本の自由化と主環境
7.規制緩和・情報化と主環境
8.景気の現状と当面の展望
9.景気は雁行形態的に波及する
10.SLIで読む景気の先行き
後期
1.ハロッド=ドーマー型成長論
2.ケインズ派成長理論
3.新古典派成長論
4.景気循環の理論
5.均衡論的成長論の問題点
6.動体分析の方法論
成績評価の方法
前期テスト50%、学年末試験50%
教科書
前期:嶋中雄二著「メジャーサイクル」、東洋新聞新報社、1996.後期:なし
参考書
前期:篠原 三代平著「戦後50年の景気循環」、日本経済新聞社、1994.横溝雅夫/日興リサーチセンター編『「景気循環」で読む日本経済』、日本経済新聞社、1991年
後期:平川東亜著「マーシャル=ケインズ型経済分析の研究」、白桃書房、近刊
備考
経済原論TB・経済原論UBの単位を取得し、微分、積分が理解できる事。