経済学基礎演習前期2単位

村 上 俊 介


講義概要
本演習は,ヨーロッパにおける伝統的社会から近代への移りゆきを経済史、社会史的な 角度から見てゆくことを目的としている。本年度は特にフランクフルトの中世から近代さ らに現代までの歴史をたどりながら、この都市の変遷と、広くドイツにおける社会構造の 変化を概観してゆく予定である。  フランクフルトは神聖ローマ帝国皇帝を選ぶ場所として、中世以来ドイツ語圏の政治セ ンターであると共に、東のライプチヒをライバルとする商業センターであり、かつ印刷の 中心地でもあった。また1848/49年革命の際には、フランクフルト国民議会が当地で開か れた。さらにこの地は15世紀以来ユダヤ人ゲットーを持っており、ユダヤ人の苦悩が歴史 の中に刻み込まれている。このような政治・経済・文化センターとして長らく独自な位置 を獲得してきたこの都市の歴史をたどることはドイツ社会の変遷を見るに非常に都合の良 いところである。



講義計画
1〜2 ドイツ史棋略(中世から近代へ)
    講義形式
3〜10 『都市フランクフルトの歴史』を読む
    参加者諸君の報告と討論
11〜13 ドイツの戦後史(ナチズムから分断・統一へ)
    講義形式



成績評価の方法
出席および3回程度のレポート提出によって採点する。



教科書
小倉欣一・大澤武男著『都市フランクフルトの歴史−カール大帝から1200年−』                                     (中公新書)



参考書
なし



受講前提条件