経済学基礎演習前期2単位
西村 弘
講義概要
日本経済は戦後,飛躍的な成長を遂げ,先進諸国のなかでも屈指の経済力を達成してき
ました。モノと情報の豊かさは,人類の優れた財産といえましょう。けれども,「豊か
な」日本の中身をちょっと覗いてみますと,長時間労働(過労死),男女差別,教育,環
境問題,地価問題,政治と経済の悪しき癒着,等々,GDPの指標にはほとんど表れない
諸問題が山積みしているのも事実です。
また,21世紀の前半でスウェーデンをも凌ぐ超高齢・少子化社会を迎えるわけですが,
そのための社会保障や福祉政策はどのような方向性でなさけなけれはならないのでしょう
か。本演習では,福祉と社会保障の国で名高いスウェーデンの現状を垣間みることを通し
て,「豊かさ」とは何であるかを考えてみることにします。
講義計画
テキストに治って学生諸君が報告し,討論するというゼミナール方式を採用します。以
下のテーマで進めて行きます。
1.苦悩する福祉社会。
2.スウェーデンの労働市場
3.スウェーデンの女性。
4.生涯教育の国。
5.コミューン・デモクラシー。
6.議会
選挙とスウェーデン国民の選択。
7.豊かさとは何か。
成績評価の方法
夏休み明けに提出するレポートと平常点(報告と討論への参加,出席状況)。
教科書
岡沢憲著『スウェーデンは,いま』(早稲田大学出版部)。
参考書
暉峻淑子『豊かさとは何か』(岩波新書)。その他は演習のなかでその都度指示しま
す。
受講前提条件
テキストを予め読み,積極的に発言するという姿勢をもって演習に臨んで欲しい。