近代経済学史(通年,4単位) 

吉 田 雅 明


講義概要
人間は自分たちの経済社会を、そしてその中で活動する自分たちをどのように捉えてき たのだろうか。私たちの経済社会における私たちの自画像ともいえる現代経済学を解剖す る。現代の経済学は数学的な装いを凝らしているが、そうした技術的詳細に臆することな く、それぞれの理論が認識体系として語りうるものとは何か、考えてみる。
 今年度は様々な理論の成立・展開を追っかけていくのではなく、現代経済学の状況を概 観した後、いくつかのテーマに限定し、それを深く掘り下げるかたちで進めていきたい。 あわせて、学説史研究という作業の意味についても考えてみようと思う。


講義計画
1.現代経済学の見取り図
2.合理的経済主体と均衛を軸とした経済学
  (一般均衡理論とゲーム理論の展開、最近のマクロ経済学)
3.再生産という考え方、再生産理論のマイクロ・ファウンデーション
  (ケネー・リカード・マルクス・スラッファから分析的マルクス主義まで)
4.学説史研究という作業の意味 − ケインズを例にして
5.その他のいくつかのテーマ  − 時間構造、貨幣と不確実性、複雑系



成績評価の方法
学年末試験により評価する。



参考書
『ケインズ 歴史的時間から複雑系へ』、吉田雅明、日本経済評論社、1997



関連科目
経済学科:経済学史、経済原論UA、UB(ミクロ、マクロ)、価格理論
国際経済学科:経済学史