国際経済人門ゼミナール前期2単位

稲 田 十 一


講義概要
 近年のアジアの経済成長はめざましく,世界の注目をあびてきた。その成長の要因と背 景については多くの議論がなされており,欧米の伝統的な経済学や経済発展論に新たな見 直しを求めている。
 授業では,ジェームズ・ファローズがアジア経済について論じた下記の文献を題材に, その議論を批判的に検討し,伝統的な経済学の枠組みの問題点とアジアの経済発展につい ての理解を深めることを目的とする。一方的な講義ではなく,学生が分担して報告し討論 する事に重点を置く。


講義計画
1.ハイテク産業をめぐる競争
2.日本の近代化の過程
3.日本の戦後改革
4.市場経済と政府の介入
5.日本とアジアの経済関係
6.ASEANの経済成長
7.改革途上の国々
8.東アジアの四小籠
9.アジア型経済体制
10.伝統的経済学への挑戦


成績評価の方法
 出席点50%,レポート50%,半期の間に各人必ず1−2回は報告する。試験は行わない が,学期末までに自分の関心を持ったテーマについて関連する本を読みレポ{トを書いて もらう。


教科書
 ジェームズ・ファローズ著(土屋京子訳)『沈まない太陽』講談社,1995年。 James Follows,Looking at the Sun:The Rise of the New East Asian Economic and Political System. Pantheon Book.(New York)1994.〉


参考書
 参考文献はテーマに応じてそのつど紹介する。


受講前提条件・備考
 予習(事前に本を読んでおくこと)と自主的な勉強(関連する本を読むこと)が不可欠 である。