国際経済と地域通年4単位
小 島 直
講義概要
現在,国際貿易と国際金融は一段と活発化しており,それが経済成長のエンジンになっ ている。その反面で地球環境問題やエネルギー問題など経済発展を阻害する問題も世界的 な規模で発生している。現在国際経済はグローバル化しているといわれるが,それはこう したプラス面とマイナス面が混在しているのである。
また,現在国際経済は大きな構造転換期にさしかかっている。国際経済のグローバル化 は先進諸国経済にも発展途上国経済にも新たな対応を追っている。アメリカ経済はそれへ の対応が比較的順調であるが,ヨーロッパ経済は高失業に苦しみ,日本経済は景気の足取 りが重たい。高度経済成長を続けてきたアジア諸国も一歩対応を誤るとタイで起きた通貨 危機のような事態になる。こうした現在国際経済の構造的な問題をより深く理解するため には地域別,国別経済を学ぶことも不可欠である。
このクラスでは本国際経済学科の専任教員が一回ずつ順番に登場し,上述のような現在 国際経済の主要な問題点を明らかにして行く。新入生諸氏には今後の専門的勉学の入門ク ラスとしておおいに役立っであろう。
講義計画
国際経済の横断的テーマ
1.国際経済学の勉強の仕方
国際経済理論の発展の歴史(平島廣一)
2.貿易摩擦の本質(野口 旭)
3.国際収支の均術と不均術(小島 直)
4.国際的相互依存関係:金融面を中心にして(大倉正典)
5.労使関係の国際比較,日本とイギリス(浅見和彦)
6.国際援助の現状と問題点(稲田十一)
7.新生ロシアの課題(宮下誠一郎)
[地域別テーマ]
1.イギリスとEU(毛利健三)
2.現代ヨーロッパの経済(加藤浩平)
3.経済開発理論から見たアジアの経済成長(大橋英夫)
4.アフリカにおける経済と社会(室井義堆)
5・ラテン・アメリカにおける持続的発展と日本の協力(狐崎知己)
最終回:テスト
成績評価の方法
本クラスヘの出席状況とテストの結果を総合的に評価する。
教科書
なし。
参考書
本講義要項のそれぞれの専門科目ごとに示された「参考書欄」を参照のこと。
受講前提条件・備考
国際経済人門ゼミナールに縦続して本講義を受講することを勧める。