経済思想史通年4単位

玉垣 良典


講義概要
 講義の主眼は・近代市民社会の体制的自己認識の学としての経済学が,どのような時代 的背景と思想的前提のもとに形成されてきたのかを明らかにし,経済学という学問の独自 の性格を理解することにおかれている。講義は経済学の祖アダム・女ミスにおける経済学 の生莱を・スコットランド啓蒙主義の流れに立っ近代自然法学と道穂哲学を背景において 論じる。次いで古典派経済学批判の経済思想として,カール・マルクスの経済思想の特質 と意義について考える。近代市民社会の構成メンバーである「経済人Jの把握と経済学の 関連を軸に・スミスとマルクスの経済思想の共通性(後者の前者よりの准承の面)と対照 性を明らかにすることが本講義のねらいである。


講義計画
(T)アダム・スミス
 ー経済学の生謀−
1.序章 スミスの時代背景と課麗
2.スコットランド啓蒙主義と道徳哲学
3.アダム・スミスの道徳哲学
  −「経済人」と市民社会の構成原理
4.1国富論】の経済学
(U〕カール・マルクス
 ー経済学批判−
1.序章 ドイツ三月前期と青年ヘーゲル耗
2.経済学批判の基碇視座
   −1経哲草稿】を中心に−
3.経済学批判体系の方法と横成
4.r資本論】の経済学


成績評価の方法
 学年末試験により判定する。   


教科書
 なし。必要に応じ教材プリントを用意する。


参考書
 講義の際に駈時参考文献の紹介を行うが,ここではとくに本講義の背景を指示する次の  書物をあげておく。
 内田義彦r社会認識の歩み1(岩波新書)
   〃 l資本論の世界』(岩波新書)