国際経済論
通年4単位
野 口 旭
講義概要
現代は,「国際化の時代」と言われる。最近の数年間に限定してみても,外国人労勧者 の流入,農業の自由化,経常収支の不均衡,貿易・通商産擦,為替の乱高下,企業の海外 移転,日米構造協議,規制緩和といった国際経済間鴛が,常に人々の話題にのぼってき た。本務義では,一見無秩序に生じているようにもみえる,われわれをとりまくそうした 様々な国際経済貌象の背後に存在している因果関係・相互依存関係を理解するための基本 的な枠組みを提示する.日本への外国人労勧者の急激な流入が生じたのはなぜなのか。日 米間の経常収支不均萄が急速に拡大したのはなぜか.日本企業はなぜ海外に啓転していか ねはならないのか。日米の間で,貿易摩擦がかくも頼繁に生じる理由は何なのか.農業を 自由化することは,日本にとって利益なのか不利益なのか そのような閏常に対して, 科学的で合理的な説明と解答を与えること,そして,それらに関連してしはしは行なわれ ている感情的・非経済学的な議論を批判的に捉える目を養うことが,本講義の目的である.
講義計画
(1)前期
T.はじめに−経済理論と貌実
U.国際貿易の理論
1.比較生産費説とリカード貿易理論
2.要素賦存とヘクシヤー=オリーン理論
U.国際分業の構造変化
1.国際分業の動態理論
2.貿易政策
(2)後期
W.国際収支
1.国際収支の基碇棋念と原理
2.国際収支の不均衡と調整
X.外国為替
1.外国為替の原理
2.国際通貨の原理と諸制度
Y.国際投資
1.国際投資の諸形態と理論
2.直接投資
Z.結び一国隙化時代の諸課鹿
成績評価の方法
成壊評価のウェイトは,前期テスト50%,学年末試験50%とする.前期テストの追試は 行わない。学年末試験を欠席した場合には,後期テストの点数× 0.8を成績とする。前期 テストにだけ出席し,学年末試験にもその追試にも欠席した場合には,成績は与えられな い。
教科書
プリント(前期後期あわせてB4・20〜30枚程度)−を講義時に配布する.
参考書
伊藤元重著lゼミナール国際経済人門1(日本経済新聞社)
波部福太郎篇著『ェレメンタル国際経済】(英創社)
小宮隆太郎著 F貿易黒字・赤字の経済学1(東洋経済新報社)
高増明・野口旭著 町国際経済学一理論と現実−1(ナカニシヤ出版)
備考
別の曜日に,基本的には同じ内容をもつ小島教授の国際経済論が展開されているが,そ れぞれの講義の受講生数を均等にするため,両講義の履修者を指定する。本講義の履修対 象者は2年次の学籍番号1〜350番と,3,4年次生である。