日本経済論(通年4単位)

前期  正村 公宏
後期  鶴田 俊正


講義概要
「戦後」の日本経済は「中進国」から「先進凱へと急速に発展し,今日では自由世界 の中でアメリカに次ぐ経済超大国となっている。本講義は日本経済の発展過程に対象をし ばり,その発展の要因と課題とについて述べる予定である。
 講義の特徴は次の3点にある。
 (1)歴史的視野をもって日本の経済の発展過程とその特 徴について考えること。
 (2)世界経済との関連での日本経済の動態について論ずること。
 (3)若干の経済理論を活用しながら日本経済の諸現象を解明すると同時に,日本経済の成 長を特色づけた諸制度に言及し,その改革の方向を模索することである。本講義は2人の 教員によるジョイント・レクチヤーであり・前半を正村が・後半を鶴田が担当する。


講義計画
前期
  序章 日本経済の課題と展望
第1部
 1. 近代国家と近代産業
 2. 新興帝国主義
 3. 再建・改革・成長
 4. 成熟社会への模索
第2部
 5. 国際関係
 6. 産業構造
 7. 国民生活
 8. 国体制・組織・機構
後期
T.経済成長と経済政策
 1.ハロッドの成長モデルと経済成長
 2.経済成長と経済循環
 3.国際間の資源配分と経済政策
U.日米の経済政策と構造変動
 1.80年代前半の経済政策とプラザ合意
 2.資産インフレの原因について
 3.レーガノミックスと双子の赤字
V.通貨供給のメカニズムとインフレーション
 1.インフレーションの原因について
 2.第1次石油危機前後のインフレと政策選択
 3.第2次石油危機と構造調整
W.21世紀への展望

成績評価の方法
学年末試験によって成績評価を行う。レポートの提出はとくに求めない。


教科書
前期:正村公宏『日本経済一衰退は避けられるのか』筑摩書房・1997年
 後期:とくに指定しない。


参考書
 香西 泰『高度成長の時代』(日本評論杜)1981年。
 正村公宏『日本経済論』(東洋経済新報社)1978年。
 同『戦後史』(筑摩書房)1985年。
 同『図説戦後史j(ちくま学芸文庫)1993年。
 鶴田俊正『戦後日本の産業政策』(日本経済新聞社)1982年。
 同『日本経済挑戦と協調』(東洋経済新報杜)1987年。
 同『規制緩和−市場の活性化と独禁法』(ちくま新書)1997年。


受講前提条件
私語を一切禁ずる。経済学・歴史・現実に強い関心をもつことが求められる。