ラテンアメリカの経済前期2単位

狐 崎 知 己


講義概要
「失われた10年」と呼はれる1980年代の未曾有の経済危機と構造調整の時代を経て,ラ テンアメリカ諸国は新興有望市場として1960年代に次いで再び世界の注目を集めるに至っ ている。地域の政治地図も軍事政権から民主政権に塗り替えられ,多様な社会運動が開花 し、さまざまな発展の試みが各地で繰り広げられている。はたして経済改革と政治的民主 化が定着し、累積債務・所得格差と貧困問題・生態系の悪化,民族差別,政治的強権主義 など地域が抱える歴史的・構造的問題が根本的な解決に向かうのだろうか。講義では,ラ テンアメリカ経済の特教を歴史的に把握したうえ、現代的課題を経済領域に限定せずに多 面的に論じてゆく.


講義計画
(1)ラテンアメリカ研究の方法
(2)19世紀自由主義の時代
(3)ポピュリズムの政治経済学
(4)輸入代替工業化戦略
(5)累積債務問題
(6)新自由主義と横造調整
(7)持続可能な開発への諸条件


成績評価の方法
前期試験.


教科書
小池洋一篇『ラテンアメリカの経済』新評論


参考書
水野一篇『ラテンアメリカの環境と開発』新評論、松下洋扁『ラテンアメリカ政治と社会』新評論