社会保障論(後期[2展開], 4単位)
西 岡 幸 泰
講義概要
世界の政治・経済の激動と不安定化,日本経済の「国際化」と構造的再編の急速な進
展・そして「高齢社会」への突入のもとで,社会保障のあり方が鋭く問い直されている。
また実際にわが国の社会保障は,医療,年金,介護・社会福祉などの全領域にわたって連
続的な制度改革の真っ只中におかれている。
講義では・受講生諸君が社会保障動向の具体的検証を通して現代的問題意識を深め,経
済社会の理論的歴史的認識をベースにして,これからの社会保障のあり方を批判的・主体
的に考えていく力量を広げ伸ばすことを目標とする。
講義計画
第1講 社会保障政策の今日的課題 - 間題状況の壮観
第2講 社会保障の理念とシステム
第3講 社会保障の構造と類型 - 国際比較
第4講 ナショナル・ミニマムと社会保障
第5講 「貧困」と最低生活費
第6講「貧困のスティグマ」とその払拭 - 救貧政策から社会保障への展開
第7講 社会保険と「保険原理」
第8講 日本の社会保障 − その歴史
第9講 日本の社会保障 - 年金制度と社会保障財政
第10講 日本の社会保障 - 社会福祉と医療保障
第11講 家族・女性問題と社会保障
第12講 総括
*各テーマにつき,それぞれ2回の講義時間を予定している。
成績評価の方法
後期試験の成績により評価する。
受講者の関心や理解度等を確認するために,簡単な「テスト」を適時,講義時間中に行
うが,この「テスト」の結果は,原則として成績評価には加えないものとしている。
教科書・参考書
教科書は指定しない。(毎時間,レジメおよび資料を配布する。)
参考書として社会保障制度に関する基本的統計資料・事典等を3点だけ掲げる。
@厚生省『厚生白書』
A社会保障制度審議会事務局編『社会保障統計年報』.
B『社会保障年鑑』東洋経済新報杜.
(上記3点はいずれも毎年度刊行)
受講前提条件
受講前提条件は特定しない。関連科目として,労働経済論,社会政策論の受講が望まし
い。
今年も社会保障制度の根幹にかかわる政府関係審議会「答申」「勧告」や一部改正法衰
などが登場するものと予想される。その時には,上記の講義計画を若干変更してでも,で
きるだけタイムリーにコメントすることとしよう0また,日頃から社会保障に関連する新
聞雑誌記事等をよく読んでおくよう,受講生に望みたい。