産業構造論(通年4単位)
鶴 田 俊 正
講義概要
産業とは同質の財・サービスを生産している企業の集合的槻念であり,産業構造とは一
つの国民経済がいくつかの産業によって構成されている状態をさす。産業構造は国によっ
て必ずしも同質ではなく,一国の経済成長パターン,需要構造,生産要素の賦在状況およ
び技術的要因,あるいは一国の経済政策・制度などによって大きく影響を受けることにな
る。本講では日本の産業構造の形成要因をマクロからミクロの諸問題との関連,ならびに
地域経済,国際経済との関連で明らかにすると同時に,日本型産業組織の特徴ならびに日
本型産業組織と競争政策との関連についても明らかにする予定である。
講義計画
前期 | 後期
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T.経済成長と産業構造 | W.産業構造と地域経済
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1.戦後の経済成長と経済政策 | 1.地域経済の動態
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2.産業構造の変貌 | 2.地域経済政策と分権化
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3.サービス経済化のメカニズム | 3.情報化・知識化と地域
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U.産業構造と産業政策 | X.国際経済体制と国際的展開
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1.産業政策とは何か | 1.国際貿易の動態と輸出入構造
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2.復興期(1945〜1955) | 2.直接投資と相互依存体制
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3.高度成長期(1955〜1972) | 3.国際分業と市場開放
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4.ポスト石油危機(1973〜) | Y.展 望
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U.産業組織と競争政策
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1.日本型産業組織と企業行動
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2.流通機構と流通政策
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3.独禁政策と規制緩和
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成績評価の方法
学年末試験によって基本的に成績評価を行う。
教科書
とくに指定しない。
参考書
鶴出俊正「戦後日本の産業政策」日本経済新聞社,同「規制緩和一市場の活性化と独禁
法」(ちくま新書)など
受講前提条件
教室での私語を一切禁ずる。現実の産業構造・産業組織に対して経済学の考え方を適用
して講義を進めるので,経済学と現実の経済との関わり方について強い関心をもつことが
期待される。