社会主義経済論(通年,4単位)

宮 下 誠一郎


講義概要
この講義では1917年から91年まで社会主義体制をとっていた旧ソ連・ロシアと第2次大 戦直後から89年まで同じ体制をとっていた東欧諸国を対象として取り上げる。前者は約70 年,後者は約40年の社会主義の時期を経て,いまやその社会主義から離脱しつつある。
 この講義ではいわゆるスターリン・モデル(それはソ連のみならず東欧全体をも覆った 体制である)がどのように成立し,どのような困難を生み出し,なぜ放棄されねばならな くなったかを歴史的,理論的にあとづける。そのうえで,ロシアと東欧が現在遂行しつつ ある体制移行の事業一共産党独裁から議会制民主主義へ,指令的計画経済から市場経済へ, ソ連ブロックからヨーロッパさらに世界経済への統合−にどの程度成功しているか,また どのような問題に新たに直面しているかを,各国の条件,背景要因を丹念に踏まえながら 解説する。でさるだけ新しい材料とデータをとり入れ,わかりやすい講義にしたいと願っ ている。


講義計画(若干の変更がありうる)
前期 1.ロシアの地理と歴史
2.ソ連社会主義の出現
3.スターリン・モデル
4.ゴルバチョフのペレストロイカ
5.ソ連倒壊
6.エリツィン改革
7.混乱からの回復
8.市場経済への移行
9.世界経済への統合
10.ロシア経済の可能性
後期
1.東欧という地域
2.社会主義体制下の東欧
3.改革の模索
4.ゴルバチョフの新政治思考
5.東欧民主革命
6.各国経済事情
 @ ハンガリー
 A チェコとスロバキア
 B ポーランド
 C 旧東ドイツ
7.EU統合問題


成績評価の方法
学年末試験によって評価する。


教科書
 なし


参考書
 その都度指示する。