地域研究特殊講義(前期,2単位)

青 木 信 治


講義概要
モンゴル。それは長い間,わが国の人びとにとっては,不思義な世界であった。なんで も,子供に至るまで馬を自由自在に乗りこなし,ユーラシア大陸をところ狭しと駆けめぐ る。万里の長城もなんのそのだったと言うからだ。他方,わが国史をかえりみても,建国 以来の最初の国難は,モンゴルの軍船の襲来のときだった。そうしたモンゴルの人びとが 近代に入って建てた独立国が,この8年前頃から,俄かにわれわれ日本人の前ににこやか に近寄って来たのだから,びっくりするのも無理はない。
私は約8年前,わが国政府に頼まれてその不思議な国へ政府経済顧問として単身赴任し た。その際,その国はまだ人民共和国と称していたのだから,見方を変えれば私は自由主 義の世界から最初に社会主義の国の政府の心臓部に入りこんだ人間になろう。本講では, この不思議な国モンゴルを私自身の血涌き肉踊る体験に基きながら紹介しようとするもの である。


講義計画
1.黄色人種をなぜモンゴロイドと呼ぶのか。
2.砂漠,草原,鳥獣,人間。
3.文明は農耕民族だけが開いたのか。
4.白色人種を見下したジンギスカン一族。
5.兄弟げんかに付け入られて。
6.満・漢両氏族に隷属しながら。
7.独立もロシア赤軍に首都を委ねて。
8.コメコン体制と言う植民地体制。
9.無血革命成功せり。
10.市場経済化はしたものの。


成績評価の方法
論文や試験で決める。


教科書
考えていない。


参考書
必要と思われるときはその際紹介する。


受講前提条件
受講前提条件。何もない。
備考。真に一国を知れば世界が分かる。