都市経済論・経済立地論(平成5年度以前入学者)
黒田 彰三
講義概要
世界の人口の大半は都市に居住し,政治,経済,文化等の活動もほとんど都市で行われ
ている。この講義では,生産,仮売,消費を含む経済活動が都市で行われたときの問題を
議論する。現代の都市は誰でもが生活でき,経済活動の自由も認められている。生活の位
置(あるいは場所),経済活動の位置(あるいは場所)の選択の自由も認められている。
自由であることは一面では,結果に対して責任を持つということである。何かをしようと
するとき「何処で」ということを無視して決めることはよはどの例外を除けば不可能であ
る。企業活動に関しては場所ごとに賛用と収入に差があり,獲得できる利潤に差があるか
らであり,また生活に関する条件差としては「便利さ」や「快適さ」などに場所差がある
からである。それゆえ自己の目的を最大に達成できる場所を選択する。それが常に実現で
さるのではない。そして立地した主体によって形成される都市も何も問題がないわけでは
ない。立地選択,都市問題を経済学から考察していく。
講義計画
1.経済的資源としての土地とその利用の結果の「地域」「都市」
2.経済主体,立地主体,立地要因,立地条件
3.チューネン・アロンゾ型モデル
4.オフィス業務の立地
5.交通混雑問題
6.土地問題
7.再開発問題
8.中心地理論(都市の階層モデル)
9.都市計画と都市経済学と経済立地論(集積論)と社会資本の整備
10.維持可能な成長と都市の土地利用構造
成績評価の方法
学年末試験中心 平常点も加味する。
教科書
黒田著『地域・都市分析と経済立地論』(大明堂)
参考書
山田・西村・綿貫・田淵編著『都市と土地の経済学』日本評論社
宮尾著『現代都市経済学』日本評論社
拙訳『エヴァンス 都市の立地と経済』大明堂
受講前提条件
なし
関連科目
「地理学」「地域経済論」「地方財政論」「産業構造論」
備考
都市問題に対して平生からテレビや新聞や経済雑誌を関心を持ってみること。