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新ボストン便り 第三回 〜9月11日便〜

日本の皆様へ

 今日のこの日、2001年9月11日はブッシュ大統領も言っていましたが、今後長い間苦い思いを込めて語られる日になると思います。

Casualtyがどの程度になるか、今の段階ではまったくわかりませんが、アメリカ本土での被害としてはCivil War以来であると言われています。
未曾有のテロ事件に対するアメリカ人の最初の反応は、ボストングローブによれば「New Day of Infamy(新たな蛮行の日)」でした。これは真珠湾攻撃の日が「Day of Infamy(蛮行の日)」であったことをうけているわけで、テレビでは飛行機の激突の場面の後に、日本軍の真珠湾攻撃のニュースフィルムを繰り返し流していました。

この事件が真珠湾攻撃に匹敵するものと受け止められるほどの、大きなショックをアメリカ人に与えたことが読み取れます。
あるいは本土を攻撃された事が無いアメリカにとっては、それ以上であるとも言われています。しかし、半世紀を経て歴史の証言を見せられる事は、ちょうど歴史の歯車を強制的に逆戻しされた感があり、戦後生まれ世代の日本人としては複雑な思いをいたしました。

衝撃的な事件の当日、ハーバード大学のキャンパスではサマーズ新学長が五千人の学生の前で、「とうてい理解することができない事が起きた時、私達は互いに支えあわなければならない」とし、「共同体としての大学」の中でこうした悲劇に立ち向かうように努めようと、慰めと励ましの言葉をかけました。
そして、さっそく学生に対する精神的支援を行うため、心理学の専門家を大学の健康相談所に配置させる事を告げました。
このほか、大学では犠牲者の家族へのスカラーシップとして米国教育協議会へ百万ドルの寄付を行うことを決定いたしました。

アメリカは断固としてstrike backします。
Terrorismに対する攻撃がアラブ諸国の反感を買うと、中東を巻き込む大きな戦争に発展しかねない状態です。世界全体の政治、経済に与える影響の大きさは計り知れません。

今日の日経平均はあっさり1万円を割ってしまいました。
景気の舵取りが微妙なこの時、本当に厳しい試練を受けることになりました。
まだ、Attackが終わったと考えるのは早いかもしれません。

私の家からほんの20分ほど走るとローガン国際空港がありますが、ここから2機のハイジャックが出た理由は、New Yorkに近いこと、ダメージの大きさを考えて、Los Angelesへ向け燃料を満タンにした飛行機が必要であったようです。

これからも充分に注意を怠らないようにいたします。


亡くなられた方のご冥福を心より、お祈り申し上げます。

望月宏



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