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新ボストン便り 第7回 〜2001年9月17日便〜

   National Day of Remembrance


America Arising
ニューヨーク証券取引所は、17日朝9時半、ニューヨーク市長のほか、ヒラリー上院 議員、警察署長が見守る中、現役の消防士が開始のベルを鳴らすという異例の形で取 引が始まりました。
土曜日の状況では、主要なネットワークの一部が崩壊したWTCにあったため、復旧が 本当に可能かと疑いの目を持つ人も多かったのですが、ほこりにまみれた地域を清掃 し、証券取引上の前に大きな星条旗を掲げ、この時の為に徹夜の復旧作業が続きまし た。テレビに流れる映像ではわからないものの、実は未だ続く火災の煙のにおいが充 満していたそうです。

アメリカはテロに屈しないという姿勢を示す為にも、意地でもこの日に市場を開けた かったのです。前日ブッシュ大統領は、日曜日は犠牲者の為に嘆き、悲しみ、祈りを 捧げる日であったが、月曜日の今日は「Back to work」の日であるべきだと繰り返し 言っていました。
この考えには、それぞれが日常の仕事に復帰し、それぞれのなすべき仕事を行うこと こそが、アメリカの力強さを表し、テロに屈しない態度を示すものだという思いが込 められています。

今回消防士が開始のベルを押す光栄を受けたわけですが、それは警官と並び多くの殉 職者を出したこと、しかしそれにもかかわらず、その後の献身的な復旧作業がアメリ カ国民の胸を打ったからでした。
ハーバード大学のあるCambridge市の消防署の前にも、花束が絶えず、こんな感謝と 励ましのことが捧げられていました。
「Thank you. The people of Cambridge are with you.」 国の威信を懸けて開いたニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は8920ドル70セ ントと、10日に比べて684ドル81セント安で引けました。航空機業界、観光、保険業 などに売りが集中したのは当然でしたが、patriotic buying (損を覚悟の買い支 え)、連銀の0.5%の追加引き下げなどもあって、思いのほか下げが少ないように 思われました。威信はどうやら保たれたようです。

ニューヨーク市場が開始したのを確かめた後、月曜日のとりたい授業である、「教育 経済学」、「社会学的組織行動論」を聴講にいきました。ハーバード大学には、日本 の大学の学部に相当する「Faculty of Arts and Sciences」のほかに、文理研究大学 院(Graduate School of Arts and Sciences)、ビジネススクール、ロースクール、 J.F.Kennedy 公共政策大学院、メディカルスクールなど数多くの大学院があり、そこ で提供される授業の数は膨大です。さらに、すぐ近くのMIT(マサチューセッツ工科大 学)との授業提携も行っている為、ここでも経済学、経営学の授業をとることが出来 ます。このような膨大な授業科目の中には聴講したい授業が、当然数多く重なり合っ ており、選択に苦しむという贅沢が出来ます。
刺激的な授業の内容を今後皆さんにも、お伝えしてゆきましょう。



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