バブルの影響 担当 庄子 吉沢 富田 津ヶ原



 失敗をしない人間はいない。大切なのは、その失敗した原因を徹底的に究明し、次につなげることである。 前回のゼミではバブルの原因について調べた。今回のゼミではそのバブル崩壊が日本経済にどのような影響を与えたかについて財政、金融、景気のそれぞれの視点か ら、現状分析し、さらには、現状を打破するにはどうしたらよいかまで考察していきたい。


<財政>
 バブル崩壊後の税収減対策、又、不況対策として、財政出動を行った。この費用は建設国債で賄われた。94年からは特例公債も発行され、益々日本の公債残高は増え 続け98年には、240兆円程度にまで上ることになる。97年にはGDP比97%になった。
しかし、景気対策として財政出動しても、バブル時の過剰設備投資の影響で民間ではストック調整を行っているため、又、不安感や経済の円熟化のため限界消費性向が 減少しているために、現在の所目立った効果は出ていない。 参考までに現在の政府借入金は4,269,774億円であり(平成10年12月現在)GDPは 4,941,000.億円であるから現在のGDP比は86.4%である。
 予算の公債依存度は37.9%に達し 10年度に3次にわたる補正を重ねた後の公債依存度が38.6%  公債残高は327兆円 これに借入金等を加えた国の長期債務残高は446兆円程度となる見込み さらに、約176兆円にのぼる地方の借入金残高を加えた 国・地方の長期債 務残高は、平成11年度末で約600兆円となる見込み これによる、 財政状況の急速な悪化は避けられない。
 金融再生委員会は3月12日、資本増強の申請を行っていた都市銀行など15行に対し、総額7兆592億円の資本増強を承認したところである。(3月30日に実施)
参考文献『日本再浮上の構想』島田晴雄著 東洋経済新聞社


<金融>
 金融機関は、バブル初期において、大手企業という健全貸付先を失い、逆に「財テク」運用を受け、その資金運用先を土地や株への「投機」を行い大きな利益を得て いた中小企業や、不動産業に向け自らが「バブルスパイラル」の中心となった。それがバブル崩壊後に莫大な不良債権となって焦げ付きを起こした。その合計は約24兆 円にもなり、貸し渋りにつながり、現在の不況を呼び込んだいわば「反バブルスパイラル」の中心となった。一連の金融機関の動きは、今見てみると負債を運用する金 融機関には許されない行動に思われる。しかし当時それを否定することは不可能なのではないだろうか。
反バブルスパイラルに伴う不況を止めるにはもう公的資金投入しか考えられなくなった。 そして財政資金、財政投融資資金、日銀資金により公的資金が投入され、それ に伴い銀行は自己資本比率を8%以上と義務づけられた。


<景気>
バブル経済と平成不況
 バブル崩壊後の平成不況は、株価や土地などの資産価格の下落により銀行などが貸し出しの時の担保としていたものの価格の下落により、金融機関は、多額の不良債 権を抱え、そして貸出先を優良企業にげんていし、この貸し渋りにより中小企業は、数多く倒産し、大企業でも多数の労働者をリストラし人々に不安を残し、それが消 費低迷のひきがねとなっている。
バブル景気により企業は、過剰設備投資そして家計は、耐久消費財のストック調整におわれている。このGDPを構成する消費と投資の低 迷により平成不況は起こり、日本がかつて経験したこともないデフレスパイラルまでもひきおこしてしまったのである。


「担当者 河合、木幡、田中、河西、吉沢、津ヶ原、富田、加藤」
80年代、日本とアメリカの経済摩擦が激化し、それを是正する為に、1985年プラザ合意により円高ドル安の方向に向おうとしたが、このため「円高不況」が生 じ、又内需拡大を求められるようになった。そのため、日本は超低金利政策を取らざるを得なくなった。しかもドル暴落や株価暴落といった危険を避ける為超低金利政 策は延長され、それが「金余り現象」を生むこととなった。
又、この頃から、大企業では資金の調達方法も変化し、銀行離れが進むこととなった。その結果、銀行の資 金運用が、中小企業、土地、株などにシフトし、株価や地価の投機的高騰が起こった。これがいわゆる「バブル」である。

参考文献「日本経済、衰退は避けられるか?」筑摩書房


担当者 須賀 両角 山村
バブル経済の特徴
1. バブル期における良好な国際経済情勢
2. 内需の拡大と外需の減少
3. 雇用情勢の改善と、労働力需給の安定
4. 物価と賃金の安定化傾向

バブル経済期の経済政策
1. 政府、日銀による金利政策
2. 財政政策(政府の公共投資に対する姿勢)

資本価格が自己増殖的に高騰する基本メカニズム
1.地価・株価の上昇
2.投機拡大
3. 地価・株価の上昇期待
その他の、要因としては、以下のようなものが、挙げられる。
4. 都市銀行の業容拡大行動

安定した国際経済環境は景気拡大持続力の高さの要因の一部であるが、湾岸危機を契機と
して原油価格が急騰しアメリカ経済は拡大テンポの鈍化を示し、日本も景気後退の可能
性が指摘された。しかしバブル期の日本の景気拡大は内需指導によるものであり、輸出
に依存したものではなかったので、さほど日本経済に与える影響は大きくなかった。そ
の点で日本のバブル経済は行き過ぎた内需に原因があると考え、特に経済拡大の主導役
であった
・ 個人消費 設備投資 住宅着工 の3点における需要拡大の背景を追ってみる。

参考文献
平成2年度版 経済白書
金融脆弱性と不安定性
バブルの金融ダイナミズム 青木達彦編 日本経済新聞社
日本経済の再生 鈴木淑夫著 東洋経済新聞社
平成3年度版 日本経済の現状