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就職活動体験記
vol.2
Iino.K

就職活動を振り返ってみて思う事は、
就職活動は、目的にしてもプロセスにしても「恋愛」に似ているなと感じました。

 世の中にさまざまな個性を持った異性(企業)がいる中で、たった一人自分をささげられる一人の人を見つけ、アプローチするのです。
 結婚(入社)に至るまでに、お互いを深く分かり合う為にデートを重ねます。
始めは説明会(集団合コン)に始まり、集団面接(グループ交際)があり、その後、一対一での二次・三次の面接(デート)を重ね、お互いの良い所を見出しながら、お互い(受験者と企業側)を理解しあい、その結果相性が合えば、プロポーズを受ける(内定獲得)。
その後こちらがプロポーズを了承し、「採用」という形でゴール(結婚)です。
 
恋愛(就職活動)をしていく上で大切な事は、一緒に居て楽しい時間が過ごせるように、相手が求めている事を感じ取る事が必要ですし、自分をうまく表現する事も必要です。
 その為には、相手がどんな人か(主たる企業業務)、どんな価値観を持っているのか(企業理念)、どんな夢を抱いているのか(経営目標)、一緒に生活してどのような生活を送れるか(社内環境・福利厚生制度)等を、しっかり把握する必要があります。
 また、自分自身がどんな結婚生活(仕事)を送りたいかを、まずは深く心の中を掘り下げて分析する必要があります。その自分の希望する結婚生活の価値観に根ざした生活を送れるのは、どんなタイプのパートナー(企業)かを知る為に、自分自身の価値観を深く知る必要があるのです。 ((←これが最も重要))



<<< 私の体験談ですが、ある企業の面接で、私の本当にやりたい事を考えさせる為に、面接中に「小学校の頃の夢は?」 「高校時代一番興味持っていたのは何?」 「どんな人生送りたいの?」 「一番生きがいを感じる時ってどんな時?」 と親身に相談に乗りながら問いかけてくださる採用担当者の方もいました。 >>>

恋愛にしても相手の事が好きじゃないと続きません。
好きだから、相手の悪いところは直してあげたいと思うし、好きな相手が喜んでくれるようつくしてあげたいと思うし、自分自身も魅力的でありたいと努力するのだと思います。
 例えば、好きな人がニンジン嫌いという欠点があった場合、健康を心配して食べやすいよう調理方法を工夫して食べさせてあげようと努力すると思います。
だから、何よりも相手(その会社)に惚れて、好きじゃないと、苦しい結婚生活(仕事)は続かないと思います。




次に、2点ほど、私なりに感じた、就職に関する、社会風潮のデタラメをお話したいと思います。
(1)「今は、キャリアアップの時代だから、とことん会社を利用してやる!」という社会的風潮がありますが、そんなのでたらめもいい所です。 キャリアップは狙ってできるものでは無く、社会的要因・経済的要因・個人生活面等の外部要因によって、結果として次のStageが生まれてくるのだと思います。
 初めから、「君とは、2年ほど付き合って、自分のジョークのセンスを養うためのダシに使わせてもらうよ」、という感覚で付き合っていたら、どうでしょうか? その2年間は二人にとって幸せでしょうか? また別れ際はどうでしょうか? 修羅場ですよねぇ・・。 新しく付き合う人が、元彼女(利用した会社)と何かしら面識があるかもしれないですよね。 昔の話を元彼女から聞いた新しい恋人はどう思うでしょうか?
 さきほども言いましたが、キャリアアップは、結果としてついてくるものだと思うのです。今お付き合いしている彼女に一生懸命奉げる心があるから、相手も魅力的な仕事を任せてくれるし、次のステップを用意してくれるのです。 たとえ別れたとしても、お互い幸せになろうと笑顔で別れられるのではないでしょうか?


(2)「いろんな業種をたくさん回ったほうがいい」 「会社はたくさんエントリーして受験し内定は取れるだけ取ったほうがいい」これらもデタラメです。
これは、ある就職セミナーで聞いた話です。
そもそも仕事に「業種」なんてものは無い。これは、リクナビとかの検索エンジンの都合上そのほうが企業側に取っても受験者にとっても便利だから10種類ぐらいのラベルをつけただけだという話でした。

 「資本主義は、お客様から「ありがとう」を集められない会社は自然淘汰される仕組みになっている。」 これはワタミの取締役の談話です。
 私の考えでは、結局のところ「仕事」は全て、お客様に商品やらサービスやらを提供するサービス業にすぎないという事です。一番大事な根底のところは全て共通の理念なのです、ただその目的を達成する手段が違います。 だから「私は、銀行硬そうだから金融系の業種は回らない」というような事を言う人は全体を見すぎて一個一個の会社をまったく見れていないと思います。手段だけに気を取られ「仕事」というものの本質を理解していないのです。

また、企業を多く回りすぎると怖い事は、自分が本当は何をしたいのか解らなくなる事です。
企業側は、魅力的な表面を掲げ、デートの誘いをかけて来ます。 いろんなタイプの会社とお付き合いを同時に並行して続けていくと、自分自身が解らなくなり混乱します。
 結局、一人としか婚約する事はできないのだから、あっちへぷらぷらこっちへぷらぷらしないで、自分の価値観を正直に照らし合わせて、運命の人だ!と思ったらそこだけに集中する。その方が、素敵な恋愛(就職活動)ができるのではないでしょうか?
 また、運命の人を見つけたのに、もっと良い出会いがあるかもと意気込んで周りをうかがうような恋愛は幸せとは言い難いものがあるように思います。

以上、私なりに感じました「就職活動」とは何ぞや?という事を述べさせて頂きました。
最後に私の恋愛(就職)について触れておきたいと思います。
 私の運命の相手は国家公務員として結婚生活を送る事です。
ですが、わけあって今年は民間企業と国家公務員の、天と地ほど違う対極な2つの面を回りました。
民間が、予算最小化をめざすなら、公務員は、市場を通じないサービスの特性から予算規模最大化のインセンティブを持っています。
 もちろん時代のトレンドは、公的セクターも効率性が重要視されますが、やはり両者にはおかれた環境の厳しさの差が採用活動を通じ、ひしひしと感じました。
 簡単に言ってしまえば、公務員の省庁説明会は面白くないので、仕事に魅力を感じにくいのです。


これもある人材会社の方のお話ですが、
その企業の1年後が知りたければ、その年の売上を見れば解る。
その企業の5年後が知りたければ、その企業の商品開発力を見れば解る。
その企業の10年先が知りたければ、その企業の採用力を見れば解る。
というお話でした。

経済が国境を越え、企業が経済活動を行う「国」、ミクロで言えば「地域」を選ぶ時代に、最低限日本国内で最も競争力を持つサービス業でなければならない行政セクターの採用力に不安を感じました。

私は、仲間からの「飯野、やりたい事やらなきゃだめだよ」という叱咤激励とサポートにより、もう一年就職活動を続けます。
 この決断にこれから先後悔しないよう、素晴らしい恋愛をして、最高の結婚生活を送りたいと思っています。


 ここまで長い文章を読んでくださった方にも、運命的な出会いが訪れ、素敵な結婚生活がこの先何十年も送れるようお祈りいたします。





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