Topic95 Iguchi.M
イリノイ大学留学を振り返って

 私は専修大学の17年度春期留学プログラムで語学研修のため1ヶ月間、アメリカのイリノイ大学アーバナ・シャンペイン校へ留学に行きました。今回の研修では、人前でプレゼン発表をしたり、イリノイの学生にアンケートをしたり、ホストファミリーと会話をしたり、自分自身を表現したり、買い物をしたり、レストランへ行ったり、バスに乗ったり、というように、英語を使わなければ何もできないという状況に自分自身をおき、自分で対処しなければならないという非常に苦労した経験をしました。しかしながら得るものも大きいとつくづく感じます。私が経験したことのほとんどすべてが初めてで、常に好奇心が溢れていました。このような積極的欲求を満たすためにはやはり英語を使う「度胸」が大事だと思いました。自分でアプローチしなければ(誰かに声をかけられるまで待っていては)、何も起こりません。逆にいえば、自分から積極的に行動すれば応えてくれる人が必ずいると感じました。だから自分の行動ひとつひとつに自信を持ち、ひとつひとつの時間に責任を持ち、悔いの残らないように行動していきたいと思いました。By leaving the “comfortable zone”, we’ll get to know strengths we never before knew we had.という言葉を学んだので、自分に妥協しないで生活しようと思いました。  ところで、現地で活動しているときは気づかなかったのですが、イリノイ留学を振り返って気がついたことがあります。そのことを私は経済学部の学生なので経済学的に分析して振り返りたいと思います。  私はイリノイに滞在している間、大学に通うとき交通手段としてバスを利用しました。MTDというバス会社でしたが、このバスのサービスはこの地域に深く根づいています。イリノイ州(Illinois)のアーバナ(Urbana)とシャンペイン(Champaign)は比較的都会から離れている郊外の印象を受けましたが、バス路線が張り巡らされ、町を歩けば必ず目にするほどでした。乗車料金はどの区間もすべて1ドルで、Full Fare Tokensというものを購入すれば5ドルで7枚の乗車コインを手に入れることができます。日本のバスと比較して、MTDのバスに料金が表示してある掲示板が設置されていないのはどの区間も乗車コイン1枚で乗れるからです。  MTDは都市郊外に位置するのに安い料金で本当にバス会社を運営できるのだろうかと率直に思いました。バス会社をうまく運営している理由は、頻繁に広告(テレビや時刻表で)をしている(情報的戦略)、地域に根づいている(信頼性)、イリノイ大学を巡回する(学生利用者が多い)、サービスの質(利用者の多いバス停の電子掲示板化)、安い運賃などが挙げられます。これらは利用者にとって使いやすく便利なので、利用者が多いのです。バスの運転手さんもそう言っていました。バスの中は、利用者の会話が交わされていてとても親近感のわく雰囲気でした。通学の時、一緒にステイをしているルームメートや、先生やバスの運転手と会話をして盛り上がったという記憶もあります。利用者にとって利用しやすい環境、アメリカの国民性として想像していた「親しみやすさ」は、地域経済を発展させるために重要であると思いました。