Topic97 Oyokawa.H
「私の地元について」

 私の地元である地域について述べたいと思います。地理的位置としましては、千葉県の北東部にある、千葉県香取市佐原というところです。私の地元は以前、千葉県佐原市佐原という名称でしたが今年の春、佐原市と周辺地域の小見川町、栗源町、山田町と合併し、このような地名となりました。今回、佐原という地域について話していきたいと思います。 佐原は、古くから江戸期に商業の町として栄えた町です。利根川の下流域に隣接し、中心を流れる小野川という川を挟むように、両側に商家が多く散在し、古い町並みが現存している地域であります。この景観の中には、日本地図を作成した伊能忠敬の旧宅や、ジャージャー橋と呼ばれる、橋から水が定期的に流れる一見変わった木造の橋、橋の下を通る観光舟など現在、観光地として力を入れており、古いものは国や県の指定文化財に数多く登録されています。また、毎年夏と秋に祭りが行われ、4メートル近くの山車の上に、江戸や昭和期に有名であった人形師が作製した、5メートル程の大人形を飾り、古い町並みの中に連なって引き回しが行われています。その人形の中には町内ごとに様々で、古代伝説の英雄とされる日本武命や、仁徳天皇、鎌倉幕府成立に多く寄与した源義経、鎌倉幕府討伐に活躍した楠正成、室町時代の短編小説『御伽草子』にでてくる浦島太郎、学問の神様とされる菅原道真など、多くの歴史上の有名人物が町内のシンボルとして飾られ、のべ24台の山車が存在しています。そのときに演奏される佐原ばやしというお囃子は、国の無形文化財に指定され、このお囃子を佐原の人が耳にすると、気分が盛り上がったり、元気にもなるほど、このお囃子は老若男女、生まれてからずっと親しみ深いものとなっています。また、この風景を見に、土日には観光客があちこちに見受けられます。祭礼時には、この佐原の大祭を見にくる観光客のために、特急電車が東京駅から1日に何本も出るほど、現在では観光地として多く知れ渡りつつあります。 市は歴史ある古い町並みの風景を大切に残そうと、現代の民家を新しく木製に改築したり、新たに歩行者用の木製の橋を設けたり、小野川で運航している舟に観光客が実際に乗れるようにしたり、道路を舗装したりなど、この町並みを保存、推進しようと盛んに行われています。また、ドラマや映画の撮影のシーンにこの町並みが多く使われたりもしています。しかし、このような市の投資活動はあまり還元されていない現状でもあります。町並みにあちこち観光客が見受けられるのですが、その手にはおみあげとして買ったと思われる物は少なく、観光客が好む商品がうまく開発されてはいない現状です。実際、「佐原の名産は何だ」と私が観光客に聞かれても自信もって答えることはできません。この佐原を観光の地として推進していくには、建造物などの外観に力を注ぐのもよいと考えられますが、消費者である観光客のニーズに合った、土産や商品にも力を注げば、さらに経済効果は生まれてくると思います。現在これをうまく開発する人材がいないのではないかと思われます。 ここから少し離れた、国道沿いの地域へ行くと、そこには大型ショピングセンターや家電製品店、映画館や飲食店など多くの企業店舗が建ち並んでいます。また最近では、田園を企業が買い取り、埋め立て、その土地にさらにこのような店舗が進出しようとしています。 このように市は、古い町並みを残そうと推進している一方で、新たに大型店舗を建設し、そこから税収等の歳入を得ようとする動きがでてきています。 大型店舗が増え、実際の生活が便利になっていくことはよいことであり、市の財政現状から考えると、税収が得え、資金が増えるようになることは、経済的によい計画であると思いますが、私の考えとしては、佐原本来の古い町並みの中から土産や名産など、市は商品開発に力を注ぎ、本来の観光業からの経済効果を活性化させ、古い町並みとしてのイメージを広く推進し、全国から観光客が集まるような有名な町になって欲しいと思います。