教養ゼミ感想 2008年9月22日 塩田(ベートーベンのピアノソナタ第14番・ソナタ形式について)
◎ 小堺裕仁
今日の塩田さんの発表を聞いて、今まであまり自分とは無縁だったクラシックの世界について詳しく知ることができました。今まではなんとなくしか聞いてなかったのですが、複合三部形式やソナタ形式などのことを教えてもらい意識して同じ曲を聴いてみるとまったく違う印象を受けました。そして、フランス革命が歴史だけではなく、その時代の音楽までも変えたというのは驚きでした。そういう側面を考慮しつつ、また歴史を勉強してみるのも面白そうだなとも思いました。(寺尾:「革命が音楽を変えた」のではなくて、「革命を起こすまでに至った社会の変化が、音楽にも影響を与えた」と言うべきでしょうね。)
◎ 中野恵里香
「ソナタ形式が対立を経て和解に至る形式である」ということを聞いて、だからクラシックは聞いていて心地よいんだなと思った。
提示部で現れた二つの主題が、展開部でどのように変形されても、バラバラになっても再現部で調和される。いったん生まれた不安が解消されて、すっきりとした気持ちになれる。
そういった定められた形式、最終的に宥和することがわかっているものばかりではおもしろくない、ということで印象派や現代音楽などが生まれていったのだろうが、それでもずっとクラシック音楽が聞かれ続けているのはやはり心地いいからなのだと思う。
以前シュトック・ハウゼンが心地よいとされてきたものからの脱却をはかるため、絶対に調を意識させないようにわざと音をはずして作曲していた、というような話を聞いた。これもおもしろいが、そもそも調がなかったら成り立たないものだと思う。決まった形、枠のなかのものは一見つまらないかもしれないが、枠があるから枠から外れたものがおもしろいのだ。最初から開放されていると、ただめちゃくちゃになってしまう気がする。だからクラシックは大切なんだと思う。
それと、私はクラシック音楽を聴いていると眠くなってくるが、ソナタ形式の提示部・展開部・再現部の話を聞いてから曲を聴いたとき、眠くならなかった(長い時間きいていないからだけど)。形式の構造を少しだけ理解して、わかった気になったからだろう。外国語を聞くとき、何言ってるかわからないときはお経のようにすべてが連なって聞こえるけど、単語やフレーズがわかると なんとなくひとかたまりがわかる。わかるとおもしろいし、この「わかる」感覚って聴き手にとって大事だと思う。
現代音楽も作り手の意図や考えを理解しておもしろいかおもしろくないか判断しているだろうし。わからないけどおもしろい、って思うこともたまにあるけれど、それだってどこかの断片が自分の理解の範疇に入っているからだと思う。 (寺尾:基本の枠組みが無いと、ハズスおもしろさもわからない。定形の強さということでもあるでしょうし、定形のつまらなさと言っても同じです。要するにスタンスを意識しろ!ということでしょうか。)
◎ 渡辺壮一
自分はクラシック音楽についてきちんと勉強したことがなかったので、これまで「聴き方」がわからなかった。だから、クラシック音楽は「なんだか小難しい、聞いていると眠くなる音楽」という印象だった。
今回の発表ではまだ曲のなかでうまく判別することはできなかったが、多少その聴き
方を知ることが出来た。以前JAZZについてはちょっとだけ勉強したことがあるので、やはり「聴き方」、曲の構成が分かるようになると面白くなってくると思う。また、自分の知っているJAZZについても今回の知識を当てはめると、やはり原点はクラシックなのだと思わされる。
惜しむは、古典派の曲しか授業時間内には聞けなかったことか。可能ならば他の時代の曲との比較などもあるとより今回聞いた曲が際立ったと思う。
(寺尾:入門の機会とヒントは出しますから、あとは自分でやりましょう。もちろんフォローはできます。ゼミはそのためにある。)
◎ 鈴木達也
最近は授業で前衛的な現代音楽ばかり聴いていたので、たまにこういう音楽の原点を聴いてみると、単純にきれいなメロディーであるなと思った。ベートーヴェンの生涯はとても衝撃的であった。僕はあまりクラシック音楽は聴かないが、今回ので少し興味がわいてきたので機会があったら聴いてみようと思う。(寺尾:すそのは広い方がいいです。あとは、上に同じ。ところで「ので、ので」と繰り返すのはやめましょう。)
◎ 宇和島周平
前回の授業の感想を送ります。ソナタという物がどういうものかは理解できたのですが、楽譜でよく見るメヌエットやアンダンテといった物は未だによく分からないので、自分なりに調べてみようと思います。(寺尾:調べてください。テンポ指定ですね。)