中条卒論


介護老人福祉施設における介護職員の仕事のやりがい

中条友香

 本研究は、小野内・壬生(2014)の研究を参考に、介護老人福祉施設における介護職員の仕事のやりがいの内容を明らかにすることを目的とした。研究方法は、調査協力の得られた介護職員30名を対象にフェイスシートと質問紙調査を行った。質問紙調査では仕事満足感とやりがい感を5件法で尋ね単純集計を行なった。その結果、仕事満足感の平均値は3.67、やりがい感の平均値は3.80であった。
フェイスシートで回答してもらった性別、介護経験年数を参考に、性別、介護経験年数の違いによる満足感、やりがい感の差についてt検定を行なった。性別と満足感では有意な差は見られなかったが、性別とやりがい感では有意な差が見られ、女性の方がやりがい感が高かった。介護経験年数と満足感では有意な差は見られなかったが、介護経験年数とやりがい感では有意な差が見られ、5年以下の者のやりがい感が高かった。
自由記述はKJ法でまとめた。介護職員のやりがいを【利用者・家族に喜んでもらえること】【利用者の状態が維持・向上すること】【利用者・家族・同僚に頼りにされること】【介護の仕事 に対する価値観を持っていること】【利用者と関わることによって自己の変化を感じること】【チームで協働すること】【利用者の最期に携わることができること】の 7カテゴリーに分類した。本研究の介護老人福祉施設で勤める介護職員が感じているやりがいは[利用者・家族から感謝されること]、[利用者1人ひとりのケアができること]、[利用者・家族・同僚に自分の存在が認められ頼られること]の順に多かった。
利用者や家族、同僚から感謝され、認められることが介護職員のやりがいにつながっていることがわかった。介護職員がやりがいを感じるためには給料面、職場内の人間関係やサポート体制、自分自身を認めてくれる周りの人が重要であるといえる。