システム思考とは,複雑な問題に対して分野を超えて,全体を関係性、繋がりとして捉えて問題解決に当たる思考法です.本ゼミナールでは,システム思考の一つといえるオペレーションズ・リサーチ(Operations Research; OR)といわれる問題解決法を勉強します.ORは,経営における意思決定者の合理的な判断を支援する科学的な方法です.またORは問題の分析と解決のための計画立案やその実施,意思決定を助ける実学であり,問題のありかや応用の範囲を選びません.従って,経済学・経営学・理学・工学・農学・医学・芸術など文系理系を問わず,ありとあらゆる分野の人がORを学び研究をしています.そのため,ORという講義科目は,大学においては文系の学部にも理系の学部においても開講されています. ORは,マーケティング、サプライチェーン・マネジメント(SCM),財務・金融,エネルギー・環境,輸送・交通,医療・福祉,情報通信ネットワーク,政策・行政,人事・教育,スポーツなど,非常に幅広い分野に応用される分野横断的な問題解決学,すなわちシステム思考であるといえるのです. ORの主な特徴は,(1)対象の何が問題なのかを考え,そしてその問題の表現方法と具体的な解決方法を提示する科学的な思考法にあります.その方法は,モデル思考法ともいわれています.そして(2)コンピュータ,ソフトウェアなどの情報技術を活用し,言葉だけでなく実際に具体的な問題を解き,問題解決を図ることにあります.
本ゼミナールのねらいは,ORにおける基礎事項の学習および卒業論文の作成を通して, (1)問題解決のための科学的な思考法と具体的な分析方法を学び,ビジネスを変えるための基礎的なものの考え方を身につける. (2)問題解決の手順を追いながら,物事の仕組みを理解する能力を養成する. (3)本を読むこと,文章を書くこと,おしゃべりをすることを通して,自分の考えを物語る訓練を行うことにあります. |
<活動内容の概要> ゼミ · Excel を活用した問題解決法についての勉強会,課題図書についての読書会,卒業研究報告,プレゼンテーション,グループディスカッション,ゼミ生の企画によるワークなど · 過去に使用したテキストおよび課題図書については,下記の<ゼミ所属決定後>以降の項を参照してください. その他 · ランチミーティング,懇親会,OB・OG会,見学会(羽田クロノゲート,東京証券取引所,国立国会図書館,アサヒビール)など <ゼミ所属決定後> OR入門,レポート・論文の書き方,勉強法,思考法等に関する本を数冊紹介しますので,それらのまとめを行い,3年次からの学習の準備とします.3年次以降における課題図書も含め,これまで以下の本などを紹介してきました. · 小笠原喜康: 最新版 大学生のためのレポート・論文術,講談社現代新書 2498,2018年 · 小笠原喜康: 大学生のためのレポート・論文術 −インターネット完全活用編−,講談社現代新書 1677,2003年 · 野口悠紀雄: 実力大競争時代の 「超」勉強法,幻冬舎,2011年 · 森村英典: おはなしOR,日本規格協会,1983年 · 河本 薫: 会社を変える分析の力,講談社現代新書 2218, 2013年 · 中沢孝夫: 就活のまえに −良い仕事,良い職場とは?−,ちくまプリマー新書 126,2010年 · 森岡孝二: 就職とは何か −まともな働き方の条件−,岩波新書(新赤版) 1338,2011年 · 新井紀子: AI vs. 教科書が読めない子どもたち,東洋経済新報社,2018年 · 立花隆: 知の旅は終わらない −僕が3万冊を読み100冊を書いて考えたこと−,文春新書,2020年 · 森下典子: 日々是好日,新潮文庫,2008年 · 松岡正剛: 17歳のための 世界と日本の見方,春秋社,2006年 · 山口周: 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? −経営における「アート」と「サイエンス」−, 光文社新書 891,2017年 · 山中伸弥,羽生善治,是枝裕和,山際壽一,永田和宏: 僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう, 文春新書 1118,2017年 · 小川洋子: 物語の役割,ちくまプリマー新書 053,2007年 · 吉野源三郎: 君たちはどう生きるか,岩波文庫,1982年 · 外山滋比古: 思考の整理学,ちくま文庫,1986年 · 丹羽宇一郎: 死ぬほど読書,幻冬舎新書,2017年 · 酒井邦嘉: 脳を創る読書,実業之日本社,2011年 · 平田オリザ: わかりあえないことから −コミュニケーション能力とは何か−,講談社現代新書 2177,2012年 · 今野晴貴: ブラック企業 −日本を食いつぶす妖怪−,文春新書 887,2012年 · 小宮一慶: 一番役立つ! ロジカルシンキング,PHPビジネス新書 221,2012年 · 内田樹: 下流志向 −学ばない子どもたち,働かない若者たち−,講談社文庫,2009年 · 小川洋子,河合隼雄: 生きるとは,自分の物語をつくること,新潮文庫,2011年 · 藻谷浩介,NHK広島取材班: 里山資本主義 −日本経済は安心の原理で動く−, 角川oneテーマ21 C-249,2013年 <3年次> 実務的例題を使用しExcel を活用した問題解決法について学びます.またこれと並行して,ORと関連する話題を取り上げ, フリーディスカッション,グループワーク等を行います.これらの過程で4年次における卒業研究のテーマを構想します.なお渡辺が担当する「オペレーションズ・リサーチAおよびB」の単位を修得していない場合は本講義を受講してもらいます.また3年次終了までには,例えば「経営情報論AおよびB」,「シミュレーション論」などの受講を推奨しています. コンピュータの活用技術を修得しておくという意味で,「プログラミング基礎」などの講義,情報科学センター主催の講座なども参考になります. ゼミテキストとしては,これまで,次の本を用いてきました. · 高井,真鍋編著:「問題解決のためのオペレーションズ・リサーチ入門 −Excelの活用と実務的例題−」, 日本評論社,2000年 <4年次> 各自が進めている卒業研究の進行状況を発表し,ゼミナールのメンバーでディスカッションを行います.この過程で各自の卒業論文を作成していきます. · 卒業論文提出義務:有 |
· 公開ゼミのためのClassroom
クラスコードは 「oxnuyfn」 です。
ゼミ生およびゼミOBOGの皆さんが作成したゼミ紹介資料がありますので、
こちらも参考にしてください。
· 公開ゼミ日時
1回約40分で1日それぞれ2回行いますので、計4回行います。
皆さんの都合のよい時間枠で参加して、色々と質問をしてください。
対面とMeetのハイブリッドで行います。
9月26日(月)5限 1回目16:35〜 ; 2回目17:25〜
10月 3日(月)5限 1回目16:35〜 ; 2回目17:25〜
(1)対面で参加する場合
上記の時間枠のうち、希望する時間枠の開始少し前に
ゼミ105Hに来てください。
(2)Meetで参加する場合
上記の時間枠のうち、希望する時間枠の開始少し前に
上述の公開ゼミ用Classroomのストリームに投稿される方法に従って
Meetに参加してください。
· 質問や相談がある場合は,以下のアドレス宛にメールで連絡してください。
対面あるいはMeetで随時お受けします。
dbzhn@isc.senshu-u.ac.jp
· 採用方法
· 面接日時:10月24日(月) 14:50〜
*詳細について,応募者に個別に電子メールで連絡します。
*講義などと重なり都合が悪い場合には,事前に連絡してください。
· 提出物:(1) 論 文(テーマ)「
自己紹介、渡辺ゼミ志望理由および将来の進路 」
(A4用紙1枚、約1200字、ワープロで作成)
10月21日(金)までに電子メールで提出してください。
(2) 成績証明書(これは単位修得状況を確認するためのものです)。
応募先ゼミナール名・学籍番号・氏名を明記した封筒に入れて
申込期間中に教務課へ提出すること。なお郵送で証明書発行を
申請する場合は、教務課からのお知らせに従ってください。
· ゼミ募集関係の連絡,提出および問合せ先メールアドレスは以下の通りです。
dbzhn@isc.senshu-u.ac.jp
· ゼミナールの無断欠席・遅刻は厳禁です.また報告,連絡そして相談を丁寧にできることが必要となります. · 本を読むこと,文章を書くこと,そして会話をすることを通して,自分の言葉で考える訓練をしていきましょう. · 学びの習慣を身につける,そして社会の出来事に関心を持つことが大切です.ゼミナールで一緒に勉強をしていきましょう. 担当者のプロフィールおよび連絡方法等は,渡辺展男のホームページを見て参考にしてください.それでは,皆さんの参加をお待ちしています. |