本文には当然、「字」を入力することになりますが、無意味な文字の羅列をするのが目的ではありません。そこで伝えたい事柄を文章として記載することに意味があります。文章はいくつかの段落から構成され、段落はいくつかの文から構成されると考えています。段落にまとめられる文は一つのことに対して記述されたひとまとまりのものということができます。場面などが切り替わるときは段落を改めるのが好ましいと思います。何を段落にまとめるかは、作者の個性により決められるもので、正しいとか間違っているとかはあまり強く主張するのも疑問を感じますが、ある程度まとまりのある内容を段落にまとめてください。あた、段落がいくつかつながることにより、特定の内容や場面を記述できるようになります。
日本語ではあまり段落を意識するとはないのですが、改めて段落を意識するようにすると、文章の構造や、主張する内容などが明確になり、文章による表現能力が身に付きます。ある作文の指導においても段落は重要では、3つの文で1つの段落を構成するように練習すると効果的であると示されていました。 参考にウィキペディアの段落の説明を引用します。ウィキペディアによると以下のように説明されています。
段落(だんらく)とは文章における1ブロックのことであり、通常は複数の文によって構成される。段落の始めが行頭から1文字字下げを行っていることから段落という言葉になった。パラグラフとも呼ばれる。 日本語においては意味段落(いみだんらく)と形式段落(けいしきだんらく)が存在する。意味段落はその段落がひとつの意味を持った塊であることを示し、形式段落はその段落がその意味を表す段落のすべてではないが表記上段落にしている場合を示す。通常は複数の形式段落をまとめて意味段落とする。
特定の話題に対して記述された文章に対しては、見出しをつけることにより、何を主張しているのかがより明確に伝わるようになります。Pタグは単なる段落を指定するタグです。これに対し、Hタグで見出しをつけることにより文章を構造化することができるようになります。特定の話題のなかで、より細かい・詳細ないくつかの項目の記述をする場合などは、単に段落を並べるのではなく、構造化するほうがより内容を正確に理解されるようになります。Hタグは1〜6まで指定できるはずですが、文章の構造ということを考えると2〜3番目が使用できる限界かと思います。これより複雑になる場合は全体の構造を見直すことをお勧めします。
授業では、「自分歴・自伝・おいたち」を例に文章の構造化を説明しました。時間の流れとともに、「幼稚園・保育園」「小学校」「中学校」「高校」とH1タグで見出しをつけ、各年代においてH2タグを使い、細かい話題を記述してもらいました。たとえば、「幼稚園・保育園」ではH2タグで「年中」「年長」に分けるか、「園での生活」と「家での生活」で構造化できると思います。とくにこの形にこだわるわけではないのですが、評価の都合もありますので、どちらかで構造化してください。小学校以降は各自の判断で構造化を行い記述を続けてください。
基本的には自己責任という範疇ですが、何を記述してもかまいません。本当の話でも空想の話でも妄想の話でもなんでも結構です。ただし大学内とはいえ自分の知らない人が見ることができるものです。不必要に個人情報を暴露するのは控えたほうがよろしいと思います。また、学籍番号が暗に表示されてしまうシステムなので、ある程度年齢などは推定で来てしまいます。そのため、喫煙・飲酒・公営ギャンブルなどが認められていない年齢であることが特定される場合があります。したがって、一切そのような事実を匂わせるようなことは記載しないでください。立場上、そのようなことを公にされた場合、対処しなくてはならなくなります。また、窃盗・暴行・恐喝なども別の言葉に言い換えても犯罪であることは変わりません。犯罪歴なども同様に一切記載することは控えてください。
他人のプライバシーの暴露なども謹んでください。カブトムシの観察日記をネットに公開することはなにも問題ありませんが、正当な理由なく、特定の人の活動を観察し、記録・公開することは個人の権利を著しく侵害しますので行わないでください。大学の授業ですので、記載することは個人的なものに限定されてしまいます。そのため、SNSやツイッター、ブログとの違いが分かりにくいと思いますが、企業の一部として情報を公開する場合の知識を学んでいることを意識してください。
HPを自作している時の重要な問題は、作成している時がいつなのかが、読んでいる人にとって明確になっていない点が挙げられます。通常の会話であれば、時間を共有していますので、「今年」「今月」などの表現で十分伝わりますが、ネット上の情報はいつ記載されたのかを意図的に記述しないと「今年」「今月」がいつを指すのかが全く分からなくなります。ネットに記載する文章は、いつ読まれても意味が伝わるように、時間に依存する表現を避けるか、作成した日時を明確にする必要があります。
記載される話題に関しても、「今」興味を持っているものを記載しても、読まれている時点で、昔話となっていることも少なくありません。適切にページを更新すればいいのですが、なかなかそうはできません。作成するので精一杯で、過去のページのメンテナンスはあまり行われないようです。ですから、「今」の話は避けるほうが賢明です。また時事性の高いものも好ましくありません。さまざまな記録として記載するのであればよいのですが、熱い思いを記載すると、のちに見たときにやけに古い話題に感じてしまいます。
陳腐化しない話題がよろしいと思います。たとえば、昔話です。記載している時点で昔なので、時間がたっても本質的に意味は変わりません。また、自分が大人になっていっても、子供の時が急激に陳腐化するわけではありません。むしろ良い思い出になるかもしれません。ただ、個人的な昔話をネットに公開する必要があるかというと、また疑問を感じることになると思います。
身近な友人と身近な話題で楽しんでいる場合は特に問題はないのですが、昨今のさまざまなネット上のサービスで迂闊な発言をすることによりネットに個人情報をさらされ、社会的に大きな痛手を被る場合もあります。それらの状況をできるだけ避けるために、多くの人が自分の情報を見ることができるということを常に意識し、個人情報の取り扱いはとにかく気をつけることをお勧めします。
大学では学籍番号と氏名は簡単に公開されます。ネットで大学・出身校などに関連するハンドルネームを使って何らかのグループに属する場合は個人情報と容易に関連付けられることを理解してください。 HPは容易に場所を移すことができません。特に大学などの組織の下でHPを作っているだけでより多くの情報が発信されます。一度ネットに流れた情報は取り消すことができません。SNS、ブログ、ツイッターなどのユーザー名も容易に関連付けられますのでそのことを理解して、ネットを利用してください。